家康徹底解読: ここまでわかった本当の姿 単行本

この本は攻城団ライブラリーに収蔵されています

徳川家康はいかに記録され、どのようにフィクションで描かれてきたか。

本書ではその幼き日々から、関ヶ原の戦い、死後の神格化にいたるまで、14の主要テーマから徳川家康の虚像と実像を追究します。歴史学・文学・美術史の諸分野から家康像にアプローチし、それぞれ最新の研究動向をふまえ論じ尽くします。

これから家康について知りたい人、これまで抱いていた家康像をアップデートしたい人にとって必携の一冊。
また、大河ドラマの予習復習に。「どうする家康」の時代考証、平山優氏、柴裕之氏執筆!

【目次】
凡人の非凡――序にかえて ▼井上泰至
律儀者か?狸親父か?/踊る信長、舞う秀吉、歴史に学ぶ家康/危機と発展の階段を一つずつ

1 松平氏の出自
[実像編]山田邦明
元康から家康へ/松平から徳川へ/「八幡太郎義家の子孫」という意識/『三河物語』が語る伝承/『松平氏由緒書』が語る伝承/松平太郎左衛門入道用金

[虚像編]平野仁也 
はじめに/『三河物語』の世界/『三川記』―尾張藩で編纂された歴史書/『成功記』―整えられる出自/『武徳大成記』―江戸幕府の公式見解/『改正三河後風土記』―後世における展開/親氏の没年 ―江戸時代の諸説―/おわりに

2 人質時代の家康
[実像編]糟谷幸裕
父・松平広忠/描き替えられる広忠像/今川方の史料にみる広忠/だれが最初に竹千代を人質としたのか?/〝竹千代の尾張人質時代〟は実在したのか?/駿河人質時代の家康/「今川殿御カケニテ」のジレンマ

[虚像編]丸井貴史
人質となるまで/信長との交流/駿府での生活/人質生活からの解放

3 清須同盟
[実像編]和田裕弘
はじめに/同盟締結の時期/清須同盟の実体/信長の援軍/清須同盟の変容/おわりに

[虚像編]菊池庸介
はじめに/清須同盟を記す近世初期資料/『三河記』―伝説の形成/『武徳大成記』―伝説の発展と定着/『常山奇談』―家政伝説の独立/おわりに―家康の生涯と清須同盟伝説

4 三河一向一揆
[実像編]竹間芳明
一次史料の僅少/一揆蜂起の原因/家康の寺院政策/家康は、寺院の特権を認めていた/不入権に対する家康の基本姿勢/対今川戦と根拠地西三河の内乱/一揆はいつ蜂起したのか/戦いの経過/坊主衆の追放/三河一向一揆と本願寺/家康の思惑/本願寺の主眼

[虚像編]塩谷菊美
慈悲は因果に勝てない/傑出した主君と奉公一途の家臣/一向宗寺院の不入権が法華宗一族の忠節を支える/土民百姓への視線/亡国・国賊の一向宗/現世と来世の救済者/策謀家家康の復活

5 築山殿と松平信康事件
[実像編]桐野作人
信康事件の諸説/信康の性格と五徳との仲/家長家康の決断/築山殿の動向とその最期/『信長公記』諸本に見る信康事件/信康事件の背景と評価

[虚像編]原田真澄
築山殿と信康自刃事件/記録・軍記類の築山殿/演劇と徳川/「築山殿始末」の新鮮さと普遍性/まとめ

6 三方ヶ原の戦い
[実像編]原 史彦
はじめに/戦いの経緯/信玄西上の意図/家康の慢心はあったか/おわりに

[虚像編]湯浅佳子
はじめに/『松平記』『甲陽軍鑑』『三河物語』/『三川記』(五巻五冊)/『武徳大成記』『遠州味方原戦記』/おわりに

7 徳川家臣団(四天王を中心に)
[実像編]柴 裕之
はじめに/松平家の展開と家臣団/広忠・今川家従属期の動向と家臣団/家康の独立と家臣団/「徳川四天王」の活躍とその実像/おわりに―「徳川四天王」呼称の広まり

[虚像編]小口康仁
四天王と呼称された武将たち/十七世紀前期における戦国合戦の表象と徳川家臣団の造形表現/徳川四天王が活躍する「長篠・長久手合戦図屏風」/

8 伊賀越えと天正壬午の乱
[実像編]平山 優
本能寺の変と伊賀越え/天正壬午の乱始まる/徳川・北条軍の抗争/家康と氏直の明暗/むすびにかえて―天正壬午の乱が家康にもたらしたもの

[虚像編]網野可苗
はじめに/現代の「伊賀越え」/簡潔な記述/急ぎ京都へ/切腹の決意/かっこよく逃げる/おわりに

9 小牧・長久手の戦い
[実像編]堀 新
小牧・長久手の戦いと「徳川史観」/小牧・長久手の戦いの概略/小牧・長久手の戦いと人質/小牧・長久手の戦いは「天下分け目の戦い」か

[虚像編]竹内洪介
天下人秀吉に勝利したいくさ/フロイスの『日本史』/徳川史観の興隆―小牧・長久手合戦の顕彰/徳川史観の展開―軍記・軍書の流通/「小牧・長久手の戦い」像の成立

10 家康と江戸
[実像編]岡野友彦
「虚像」と「実像」のはざま/家康はいつ江戸に入ったのか/『天正日記』の信憑性をめぐって/当時の江戸は「寒漁村」だったのか/家康は江戸を「選んだ」のか

[虚像編]森 暁子
江戸っ子による江戸&近郊案内書/神祖の江戸入府/戦国時代の残り香/江戸市中の仏閣/逍遙する初代将軍/江戸っ子の拝む東照宮/市中に息づく家康譚

11 関ヶ原の戦い
[実像編]林 晃弘
見直される関ヶ原の戦い/秀吉没後の政争/家康の権力掌握と会津出陣/小山評定はなかったのか/家康の西上と関ヶ原の決戦/合戦後の家康

[虚像編]井上泰至
誰が家康に爪を噛ませたか?/小心者か神君か?/野戦の名手家康像の成立/戦略家家康/家康のレガシーの再評価―明治歌舞伎

12 徳川家康と天皇
[実像編]松澤克行
家康と三人の天皇/戦国大名時代の天皇との関係/豊臣政権下の家康と天皇/後陽成天皇と格闘する/後水尾天皇と晩年の家

[虚像編]井上泰至
家康の朝廷への接近/権力と権威/古代から中世へ―時代区分への意識/徳川安定期における「尊王」/忠誠論の逆説的展開

13 方広寺鐘銘事件と大坂の陣
[実像編]光成準治
徳川「公儀」確立への道のり/方広寺鐘銘事件をめぐる家康と豊臣家との折衝/家康・秀忠の思惑/淀川堤防をめぐる攻防/家康はなぜ秀頼を助命しなかったのか/おわりに

[虚像編]湯浅佳子
はじめに/『難波戦記』と周辺書/『難波戦記』の片桐且元/まとめにかえて―『難波戦記』からの文芸的展開

14 家康の神格化
[実像編]曽根原 理
神格化への助走/秀忠の決断/期としての寛永十三年(一六三六)/家光期の展開/東照宮と近世社会

[虚像編]井上泰至
家光の霊夢から生まれた「神君」/家光と家綱の断層/四天王寺―大坂夏の陣の決戦地/黒駒に乗る家康・秀忠/天下人の「誕生」と夢告

○コラム
1 徳川家康三方ヶ原戦役画像 ▼原 史彦
2 「四戦」という徳川のロア ▼黒田 智

○付録
家康関連作品目録(軍記・軍書・史書・実録・史論・図会・随筆・小説)▼井上泰至・竹内洪介編
家康関連演劇作品初演年表(人形浄瑠璃・歌舞伎)▼原田真澄編

Amazonの詳細ページを表示する

書籍の情報

タイトル 家康徹底解読: ここまでわかった本当の姿
著者 堀 新
出版社 文学通信
発売日 2023-01-27
ISBN
  • ISBN-10 4909658955
  • ISBN-13 9784909658951
価格 2970円
ページ数 388ページ

この書籍をいろんなキーワードで分類してみましょう。

Amazonの詳細ページを表示する
攻城団は以下のアフィリエイトプログラムを利用しており、このページから書籍を購入していただいた際に入る手数料は運営費の一部とさせていただいております
AmazonバリューコマースもしもアフィリエイトA8.net

紹介されているお城

まだ登録されていません。

ほかの本にレビューを投稿するには
以下の検索フォームで書籍を検索してください。検索結果にある「レビューを書く」という緑のボタンを押せば入力欄が表示されます。

Amazon検索ツール

ほかの書籍を検索することができます。

最近レビューされた書籍

Amazonウィッシュリスト

攻城団で必要としている資料(書籍・雑誌)やカメラ等の機材をAmazonのウィッシュリストで公開しています。いずれも直近では必要としないもののいずれは攻城団の運営に必要なものばかりですので、プレゼントしていただければ大変ありがたいです。
また現状、匿名でのご支援が可能なのはこの方法のみとなっています(匿名で送るにはクレジットカードで決済せず、ギフト券で支払う必要があるようです)。

Amazonウィッシュリストで支援する

フォローしませんか

攻城団のアカウントをフォローすれば、SNS経由で最新記事の情報を受け取ることができます。
(フォローするのに攻城団の登録は不要です)

今日のレビュー

超約版 家康名語録

サイン本の企画で当選して、楽しく読ませてもらっています。家康の環境が段々と変化していくに連れて名言としてもより変化が感じられ、今まで知らなかった事がたくさんありました!
何より現代においての名言の活用内容なども書かれており、ただの歴史本と言うだけではない本でした

御城印好きさん)

書籍ページを表示する

すべてのレビューを表示する

フィードバックのお願い

攻城団のご利用ありがとうございます。不具合報告だけでなく、サイトへのご意見や記事のご感想など、いつでも何度でもお寄せください。 フィードバック

読者投稿欄

いまお時間ありますか? ぜひお題に答えてください! 読者投稿欄に投稿する

トップへ
戻る