作者の考えが書かれていて軽くギャグみたいで城の本では是非おすすめします
全国に存在する場所が違う、規模が違うなどの復興天守や元々天守は存在していなかった模擬天守、実際の城跡とは関係がない天守閣風建物などが掲載されています。徳川大坂城の天守台の上に豊臣大坂城が建っているのは有名な話ですが、これまで攻城してきた復興天守、模擬天守に付いてもそのお城の歴史を踏まえて「あやしい」と思われる内容が書かれています。先般、久留里城を攻城した際、土の天守台らしき遺構のとなりに模擬天守があり不思議に思っていましたが、しっかりこの本でも紹介されていました。また、模擬天守は犬山城をモデルとして建てられているものが多いとの事ですが、今後模擬天守を攻城した際、どのお城をモデルにしているのか考えながら見ていったら面白いな、と感じました。
天守閣風建物としては東海道新幹線の車窓からよく目にする熱海城には城の復元鳥瞰図で有名な萩原一青画伯の城郭図展が有ることを知り、一度行ってみようと思います。
お城好きの端くれとして、お城の魅力は天守だけではないということは、十二分に分かってはいるんですが、とはいえ、やはり模擬天守でも見れば気分はグーンと上がるし、当たり前のように写真に収めてしまったりもする訳であります。
数々のあやしい天守閣たちも、あやしいながらも地元の方々の熱い思いがあり、観光資源としての大きな期待があり、地方行政の在り方までも考える良い機会を与えてくれます。巻末に書かれている、城郭・戦国史研究家の方の、お城ファンはなぜ「ヴィヨンの天守」の夢を見るのかにある、あやしかろうと、いかがわしかろうと、存在し始めてしまったものには、何かしらの意義が宿ると言う文章が重いです。
そして、反面教師ではないですが、だからこそ12城しか残っていない現存天守は大切に保存していかなければならないという思いを強くします。また、現存櫓、現存門、4つしかない現存御殿も大切にしていかなきゃならないですね。そして、今後の復興も、きちんとした復元として後世にあやしいと言われないものにしていかなきゃならないですね。
下田城じゃない、下田城美術館(廃館)のぼろぼろになってしまった悲しい姿が、あちらこちらに広がっていかないことを心より願っております。
城を巡る上で誰もが一度は思った事があるであろう「このお城は本物なの?天守は存在したのかな?」
そんなお城たちのいい意味で"あやしい"ところを解明してくれる本になっています!
私が特にお気に入りなのは全国の犬山城に似た天守閣のお城を解明して行くところです…まさにミステリー。こんなにいい意味で自虐風なのに最後の締めくくりも秀逸でくすりと笑ってしまいました。
カラーのお写真も多めなので老若男女、普段本を読まない方でもお気軽に楽しめる本になっております!
お城ファンからはニセモノと嘲笑されがちな復興天守や模擬天守を紹介した本。簡潔に各城の歴史が解説されているのもわかりやすくて良いが、なんといっても愛情ある(?)ツッコミが楽しい。曰く、「入母屋屋根と直角方向にそれぞれ千鳥破風が付いているという破天荒な構造!」「古墳と天守閣と資料館が同居するミステリアスな空間」「実際とは多分違う位置で屹立する天守閣は、廃城・解体・改変で希薄になった城の記憶を留め、未来へと引き継ぐという大役を一身に背負い、必死でふんばっているようだ」などなど。これら「天守閣」が建てられることになった経緯も詳細に解説されていて、それを読んでいると地元の人たちの郷土愛が伝わってきて、ニセモノを嘲笑する気持ちよりもなんだか微笑ましい気持ちになってくる。よくぞこの本を作ってくれた!と編集部に感謝したい!
タイトル | あやしい天守閣 ベスト100城+α (イカロス・ムック) |
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著者 | かみゆ歴史編集部 |
出版社 | イカロス出版 |
発売日 | 2021-04-23 |
ISBN |
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価格 | 1815円 |
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