岩国市産業振興部観光振興課によって作成された岩国城の公式パンフレットです。
岩国城の縄張り
岩国城は、山頂の要害並びに山麓の御土居(おどい)で構成されていた。要害の縄張りについては、山頂部の本丸を中心に空堀を隔てて、北の丸、南側に二の丸、そして西側に水の手の郭群の4つの区画で構成されている。
水の手の郭群は、南北に大きく2つに分かれ、南側の郭群は大釣井の郭は石垣ではなく土塁で囲まれている。
さらに、この城郭の縄張り構造の特徴は、郭群を取り巻く堅堀群と、本丸・北の丸の間にある大きな空堀(幅19.6×長さ58.2m)の存在である。これらは、近世城郭にはみられない縄張り構造であり、一般的に中世城郭の特徴として各地の城郭にみられるものである。それからすると、岩国城は、近世城郭を示す総石垣の縄張り構造と、堅堀群・空堀・土塁(盛土)等の中世城郭の縄張り構造をもつ近世城郭ということができる。