己斐城
己斐城

[広島県][安芸] 広島県広島市西区己斐上4


  • 平均評価:★★★☆☆ 2.86(--位)
  • 見学時間:21分(--位)
  • 攻城人数:35(2349位)

己斐城の案内板

己斐城址に建てられている案内板の内容を紹介します。

己斐城跡(平原城跡)

所在地 茶臼山(二〇〇・二m) 現在通称 小茶臼
西区己斐上四丁目茶臼一八五

 平原城跡は中世の山城跡で、己斐にある四城跡の一つであり、地元では平原城跡、一般には己斐城跡・己斐新城跡・茶臼山城跡の名で知られている。
 構築(こうちく)の歴史は鎌倉時代中期までさかのぼれると推定され、厳島合戦(弘治元年・一五五五)当時まで要衝(ようしょう)として争奪の渦中にまきこまれたが、以後は廃城となった。
 その間、永世十二年(一五一五)武田元繁(もとしげ)に包囲された時、「武田数ヶ月攻むるといえども、銘城(めいじょう)なるが故に、遂に落ちず」(房顕覚書)と記されており、その頃堅城(けんじょう)を誇っていたのである。
 当時の城主は、己斐豊後守師道入道宗端(こいぶんごのかみもろみちにゅうどうそうたん)であった。
 「残る名に かなえば何か 惜しむべき
       風の木葉(このは)の 軽き命を」(陰徳太平記)
の辞世(じせい)の歌を残し、有田の戦で討死したが、勇猛と義に厚い武将として著名であり、その死が惜しまれた。
 その子・己斐豊後守直之(なおゆき)は厳島合戦のとき、要害山・宮ノ尾城にたてこもった毛利方の猛将として名を知られ、さらに己斐利右衛門興員(おきかず)は、後に広島城(鯉城)二の丸御番をつとめた。
 城は南側を大手、北側を搦手(からめて)とし、山頂部には本丸・二の丸・空堀があり、山頂部を同心円形に囲んだ北・東・南・西の四郭(かく)および縦堀(たてぼり)が、昔の姿を残している。山腹に残されていた出丸跡や、ノミ跡のあった岩は宅地造成で惜しいことに、その姿を失ってしまった。
 「平原・岩原、この二墟を茶臼山と称す」と芸藩通志に書かれている「岩原城跡」は、旭山奥に今もあり、「ふるじょう」と呼ばれている。当城跡背後の(現在通称)大茶臼は「立石(たていわ)城跡」(石内側では釈迦ヶ岳城跡)であり、さらに己斐峠(こいだお)をおいて左方に「柚ノ木(ゆのき)城跡」(石内側では京良木城跡)が見られる。
 茶臼山は己斐の要の位置を占め、且つ昔は東・南側とも山麓まで海が迫っていた。城跡山頂に立つ時、「平原城は大田川口を扼(やく)す海城的性格をもった山城である」という立地条件が、よく理解出来る。
 この城跡を身近かな文化財として、大切にしたい。
 なお、推定であるが、往時の「船溜(ふなだま)り」は現在の中一丁目の「仲の御前社」附近にあったであろう。
 東郭の桂原天神(かつらばらてんじん)は古くから祀られていたが、寛延元年(一七四八)旭山に遷(うつ)され、三国屋(みくにや)天神(知新集)、更に後年、己斐天神とも呼ばれ、有名であった。
  昭和五十八年九月吉日撰文 己斐の歴史研究会
   

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戦国の終わりを告げた城―八王子城を探る (ロッコウブックス)

おそらく、八王子城の解説本の中で最も重要な一冊でしょう。
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トンネル工事や台風・地震などにより、現在は失われてしまった石垣などの貴重な写真も多数掲載されていますが、白黒で小さいため分かり辛いのが残念。

赤ヱ門さん)

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