攻城団からのお知らせ

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【寄稿】木田余城の手堅い攻め方

まーすけさんが実家の近くにある木田余城の訪問レポートを書いてくれました。これで「きだまりじょう」と読むんですね。信太伊勢守範宗の居城ですが、小田氏治に佐竹氏に内通したと疑われて謀殺されました。城址に範宗たち家族のお墓があります。

木田余城へ行くには、JR常磐線の土浦駅から、西口の3番バスのりば「神立駅・土浦湖北高校」行きのバスに乗り、「木田余三又」バス停で下車します。

バスを降りたら、右手にある横断歩道を渡り、焼肉店とショッピングモール「PIA TOWN」との間の道を進みます。

この道をずっと直進すると、やがて常磐線の線路が見えてきます。

丁字路に差し掛かったら、左折して、線路沿いに進みます。

左折して最初の二股道に差し掛かると、左手に貫禄のある木が茂っています。
目的地に行くには右手に進むのですが、ここは立ち寄ってみましょう。

木田余城の城主であった信太範宗の墓です。
どうやらこの辺りまで木田余城の城内だったようです。

市指定史跡
信太範宗(しだのりむね)の墓
管理者 宝積寺(ほうしゃくじ) 指定 昭和四十六年七月十三日

 この地は木田余城跡の一隅にあたり、五輪塔三基は信太伊勢守範宗(しだいせのかみのりむね)・その妻・その嫡子紀八の墓と伝えられる。
 範宗は本城の築城者とされ、その祖は信太荘司紀貞頼(しだのしょうじきのさだより)(「菅谷(すげのや)系図」)、代々小田氏に仕えた。
 諸書は、範宗が主君小田氏治(おだうじはる)と対立し、氏治の命で一族の菅谷氏に誘殺されたと伝えるが、時期は天文二十三年(一五五四)八月とも、手這坂(てばいざか)の戦(永禄十二年、一五六九)の後ともされ、誘殺者に勝貞(かつさだ)説、政貞(まささだ)説、誘殺されたのは範宗でなく和泉守重成(いづみのかみしげなり)とする説、また範宗・重成同一人説があって、真相は必ずしも明らかではない。
 平成十三年(二〇〇一)三月
土浦市教育委員会
土浦市民憲章推進協議会

その後、先ほどの二股道まで引き返して、また線路沿いに北上します。

5分ほど歩くと、踏切にたどり着きます。

この踏切を渡ったら、今度は右折して、これまた線路沿いに南下します。

このあたりは一面に蓮田が広がっていて、いまは収穫シーズンの真っ只中です。

踏切から歩いて数分で、木田余城跡の案内板のところに到着します。

土浦市指定史跡
木田余城跡
 木田余城はもと木田余台の「城の内」というところにあったが、信太範宗(しだのりむね)のときここに移ったといわれている。天文二十三年八月(異説あり)範宗謀殺されると小田氏治(十五代)代って在城したが、天正六年(一五七八)佐竹義重の再度の攻撃で落城し、義重城郭を破壊し廃城となった。常磐線により城跡は二分されているが、本丸があった中城・北堀・南堀・横堀などの地名が残っている。朽木(くつき)氏土浦城主のとき木田余城跡の堙滅(えんめつ)をおそれ、宝積(ほうしゃく)寺を本丸跡に移した。明治三十六年汽車の飛火により同寺も焼失し、旧本丸跡(本堂跡)は水田中に一部畑地として名残を留めていたが、昭和五十九年十二月電留基地の設置によって失なわれた。なお西方二百米のところに、信太範宗とあとを追って自殺したその妻、子紀八(きはち)の墓標とされている五輪塔三基が市指定史跡として残っている。 昭和六十一年一月 土浦市教育委員会

案内板が褪せてしまって分かりづらいのですが、地下道を通った先に石碑があるようです。しかし「関係者以外立入禁止」との看板があります。

JR東日本に確認しました
この地下道を通って城址碑を撮影してもいいのか、JR東日本に問い合わせてみました。回答は「立入禁止」とのことでした。無断で入らないようにしてください。

残念ながらここまでとします。

この一帯は蓮田と田んぼになっており、なおかつJRの線路が敷地を分断してしまっているので、城の痕跡を見つけるのは大変でしょう。
でも、だからこそ、縄張図をあれこれ想像してみるのも楽しいかもしれません。

ところで、木田余城に向かうには、土浦駅から歩けないこともありません。「Googleマップ」によると、最短距離で26分ということになっていますが、土地勘のない人が歩くともっと長く感じると思います。それに、急に天気が悪くなったりしたら目も当てられません。
かといってクルマで行っても、駐車する場所がないので、あれこれ探索することができません。タクシーの場合は行きはともかく、帰りのタクシーを拾うのが大変でしょう(流しのタクシーは皆無だし、電話で呼ぶにしても「木田余城」ではおそらく運転手さんに通じません)。

今回は最寄りのバス停からのルートを紹介したのですが、これにもひとつ問題があります。じつは「神立駅・土浦湖北高校」行きのバスの本数がそれほど多くないのです。とくに土日休日ダイヤだと1時間に1本あるかないかのペースになってしまい、時間帯によっては約2時間もバス待ち、という悲劇に見舞われます。

そこで、手堅い安全策を考えました。
それは「木田余三又」バス停の2つ手前の「真鍋新町」バス停で下車する、というものです。これだと「木田余三又」を経由しない系統のバスも利用できますので、便数が倍増します。ただ、系統に番号が割り振られておらず、行先は同じなのに「真鍋新町」を通らない系統もあるため、土浦駅西口の3番バスのりばで、必ず運転手さんに「このバスは『真鍋新町』に停まりますか?」と確認するとよいでしょう。

「真鍋新町」のバス停から、そのまま進行方向にまっすぐ進めば、10分足らずで「PIA TOWN」のところまで行けます。
(ですが、まずは道路の向かい側にあるバス停で、帰りの時刻表を確認しておきましょう)

土浦城も至近なので、ぜひ一緒に攻めることをオススメします。
どちらが先でももちろん問題ありませんが、バスの便のことを考えると、木田余城を先に攻めておいたほうがいいような気がします。

さて、木田余城を攻めた後は、一息つきたいところですが、周りにはとくに商業施設がないので、「PIA TOWN」まで戻って一服してください。
フードコートもあるし、地元の佃煮屋や菓子店などがテナントとして出店しています。

また、1階のスーパー、「カスミ」には、土浦のお土産コーナーがあります。
そのコーナーで、今回「れんこんそば」を買い求めてみました。

麺にレンコンの粉末を練り込んであります。そば粉も茨城のブランド「常陸秋そば」を使用しています。
このほかにも、うどんにレンコンの粉末を練り込んだ「れんこんめん」もあります。
やっぱり土浦はレンコン推しでしょう!

知名度の高くない城で、しかも土地勘のないところの攻城をどうしようか、と思われている方もいらっしゃると思い、地元の人間として、ごく簡単なガイドラインを紹介した次第です。
お住まい近くの攻城方法について、みなさんからもぜひお教えいただければ嬉しいです。
それでは。

   
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