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みずのけ

水野家(水野隼人正家、忠清流)

水野家(水野隼人正家、忠清流)の概要

大名種別
いわゆる親藩・譜代・外様の分類
譜代
大名の格
幕府が定めた大名家の格付け
城主
石高
歴代当主が与えられた最高石高
7万石
控えの間
江戸城に登城した際に待機する部屋(詰所)
帝鑑之間
爵位
1884年(明治17年)の華族令制定時に与えられた爵位
子爵

水野家(水野隼人正家、忠清流)の歴史

沼津藩水野家の初代・忠清は水野家宗家の初代・勝成の弟に当たる。2代将軍・秀忠に仕え、上野国小幡藩1万石を与えられた。大坂夏の陣で青山忠俊と戦功を争って閉門を命じられるが、家康の臨終の際に枕もとに呼ばれ、これまでの功績に報いて1万石を加増すると伝えられた。三河国刈谷藩に移り、さらに2万石の加増を受けて三河国吉田藩4万石、1642年(寛永19年)には信濃国松本藩7万石へ転封された。
2代・忠職は領内の検地を行ない、税制を定める。が、藩財政はこのときから困窮し始め、増税が課されるようになって領民の間に不満が募っていった。

3代・忠直のときの1686年(貞享3年)、凶作にもかかわらず年貢の率が引き上げられたことで、中萱村の庄屋・多田加助を中心とした農民が松本城下に押し寄せた。加助たちは年貢をこれまで通りの率に引き下げるよう要求し、藩が受け入れないなら幕府への直訴も辞さない覚悟だった。この時代、平民の直訴は分をわきまえない行ないとして、即刻死罪とされた。
このとき、忠直は参勤交代のため、江戸にいた。家老たちは騒ぎを収めるべく、農民側の要求を受け入れたが、加助ら首謀者は捕えられ、28人が死罪となった。しかも、家老たちはその後、約束を守らずに高い率で年貢を取り立てようとしたため、農民たちはこれを忠直に訴え、忠直は過剰な年貢の取り立てをやめさせた。
この一連のできごとが「加助騒動」または「貞享騒動」と呼ばれている。加助は義民として語り継がれ、明治時代以降、彼を題材にした創作物がいくつも刊行される。中には、同じ時期に地震で松本城の天守が傾いたことを取り上げ、加助がにらみつけたために城が傾いた、などという伝説も生まれた。

5代・忠幹は藩政改革を目指し、質素倹約を奨励したが、藩財政を立て直すほどの効果は得られなかった。
6代・忠恒が大事件を起こす。忠恒は藩政をかえりみず、酒色におぼれる暗君だった。1725年(享保10年)、忠恒は8代将軍・吉宗に婚礼祝いの御礼のため、江戸城に登城した。それが済んだ後、松の廊下で毛利師就に突然斬りつけたのだ。
折しも、赤穂事件(赤穂浪士による吉良邸討ち入り)の直後で、水野家には即座に御家断絶、領地没収との処分が下された。「松本大変」「水野家落去」などといわれ、事件の衝撃は大きかった。

水野家の家名は忠恒の叔父の忠穀が継ぎ、家は7千石の旗本とされた。その嫡男で7代・忠友は田沼意次と知り合い、意次に合わせて出世する。
1768年(明和5年)、若年寄に任命され、三河国大浜藩1万3千石を与えられて見事に水野家を再興させた。その後、側用人になって7千石を加増の上、駿河国沼津藩に転封。老中格にも上り、さらに1万石の加増を受けた。
意次の失脚後、忠友は老中を解任されるが、後に西の丸老中に復帰している。

8代・忠成も出世の道を歩み、1818年(文政元年)に老中加判となっている。忠成は小判の改鋳によって約60万両の利益を上げ、その功績から加増されて水野家の石高は5万石に達した。
13代・忠誠のときに長州征討が行なわれ、水野家は従軍する。忠誠はこのとき老中を務めたが、14代将軍・家茂の死に合わせるようにして没する。
1868年(明治元年)、徳川家が駿河国・遠江国にまたがって転封されると、水野家も上総国菊間藩5万石に移された。翌年、版籍奉還が行なわれ、14代・忠敬が菊間藩知事に任命されている。後に忠敬には子爵位も授けられた。

水野家(水野隼人正家、忠清流)の歴代当主

  1. 水野忠清
  2. 水野忠職
  3. 水野忠直
  4. 水野忠周
  5. 水野忠幹
  6. 水野忠恒
  7. 水野忠友
  8. 水野忠成
  9. 水野忠義
  10. 水野忠武
  11. 水野忠良
  12. 水野忠寛
  13. 水野忠誠
  14. 水野忠敬

水野家(水野隼人正家、忠清流)の分家

水野家(水野日向守家、忠重流)

└ 水野家(水野市正家、忠胤流)

水野家(水野隼人正家、忠清流)

水野家(水野周防守家、忠増流)

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