福井城
福井城

[福井県][越前] 福井県福井市大手3-3−17−1


  • 平均評価:★★★☆☆ 3.18(100位)
  • 見学時間:45分(103位)
  • 攻城人数:1981(73位)

瓦御門跡

福井城の大手口は、御本城橋を渡ると、本丸の大手門(瓦御門)がありました。

当時は枡形門の構造になっていましたが、現在は石垣が取り壊されています。
瓦御門裏手の雁木(がんぎ)は残っています。雁木とは石垣や土塁に昇降するために付設された石階段のことで、近代城郭ではよく見る遺構ですね。

瓦御門跡までは階段をのぼって近づくことができます。

瓦御門跡
 ここは福井城本丸の正面出入り口で、御門(ごもん)と瓦御門(かわらごもん)から成っていました。
 御門は御本城橋(ごほんじょうばし)を渡った北詰(きたづ)めにありました。両側の柱の背後に小屋根を突き出す高麗門(こうらいもん)という形式で、その柱跡は今も石垣に残っています。御門の中、左手前には御番書(ごばんしょ)があり、西側(左方)と北側(前方)は高い石垣と塀(へい)で閉ざされていました。瓦御門は東側(右方)にあり、櫓門(やぐらもん)の形式をもっていました。櫓門とは一階に出入り口を設け、二階は両側を石垣上に載せている門です。本丸御殿(ほんまるごてん)に通じる福井城の正門(せいもん)に相応(ふさわ)しく、横16間(けん)余(約28.8m)、奥行き4間余(約7.2m)の大きなものでした。このように門や石垣などで四方を囲んだ出入り口の形式を枡形(ますがた)といいます。防御(ぼうぎょ)を意識したもので、城郭(じょうかく)に広く用いられています。
 ここから東に延びる石垣上には、東南隅の巽櫓(たつみやぐら)に向かって多聞櫓(たもんやぐら)と呼ばれる細長い建物が続いていました。
福井城下
 福井城下は、越前松平家、福井藩68万石の城下町として、江戸時代初頭に整備されました。その後、町の名は北庄(きたのしょう)と呼ばれており、福井藩祖結城秀康(ゆうきひでやす)は、柴田勝家(しばたかついえ)によって築かれた城下を改修・整備し、慶長11(1606)年にはほぼ完成したといわれています。
 城下の中心・本丸には四重五階の天守および三隅には櫓(やぐら)が築かれ、本丸御殿(ほんまるごてん)(藩庁)や御座所(ござしょ)(藩主の住居)が設けられました。これを取り巻く形で二ノ丸、三ノ丸と同心円状に堀がめぐらされ、人工的に掘削された北側と西側の堀の内に侍屋敷の大半が置かれています。一方、町人の屋敷は西側の堀の外(現在の通称・片町や呉服町など)に集中させられました。
 三代藩主松平忠昌(まつだいらただまさ)は、町の名を北庄から福居庄(ふくいのしょう)と改め、18世紀初頭には現在の福井に定まりました。この間、城下は二度の大火に見舞われましたが、特に寛文9(1669)年の大火は、城下の足羽川北側の大半を焼くもので、本丸の天守も全焼してしまいました。
 その後、福井藩は大幅に藩領を減らすことになりましたが、徐々に石高を戻し、福井の町は幕末には32万石の城下町として、人口約3万数千人を抱えていたといわれます。明治維新後は、城下の建物のほとんど全てが取り壊され、堀も埋められましたが、この本丸周辺だけは往時の姿をしのばせています。
   

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今日のレビュー

戦国和歌山の群雄と城館 (図説 日本の城郭シリーズ12)

とてもローカルな内容ですが、地元の城郭研究会の方々が実際に現地調査をして書かれているので、和歌山の城を知りたいときにはとても役立ちます。
特に、和歌山は著名な戦国武将がいないわりに、中央に近いので、その影響をもろに受け、群雄が接近したり反発したりととても複雑な様相を示しています。多数存在する小領主とその居城を網羅するこのような本の存在は大変ありがたいです。
今回は、図書館で借りましたが、自分でも持っておこうと思いました。

黒まめさん)

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