黒まめさんは97件のレビューを投稿しています。
検索ページ桜の季節の弘前城、花火とともに浮かび上がる犬山城、紅葉の中の上田城、夕闇に浮かぶ熊本城など、見ているだけで癒されます。最も美しい季節を切り取った写真は、ページをめくるたびにため息が出るほどです。読むと言うより、難しいことは考えずに無心に見てください。
定年を迎えた著者中井氏が、研究家という立場を少し離れ、奥さんと共に城旅をした記録です。B級グルメあり、温泉あり、鉄オタ(駅テツらしい)ネタありのゆる〜い城旅記録ですが、そこは、研究家。研究家らしい視点も教えてくれる、なかなか興味深いものです。読んでいると、城旅に出かけたくなること請け合いです。
書店でパラパラっと見てすぐに手に入れた本です。年表形式で詳しく書かれていて、写真や図も多くとてもわかりやすい城本です。城が役割を終えた明治〜昭和、平成の様子も章立てされているところもおすすめポイントです。
和歌山県出身で、和歌山城郭調査研究会に名を連ねられている新谷和之氏の名を見つけ、思わず手にとった。中世城郭には建物など、今見ることのできるビジュアルはほとんど無い。城絵図、屏風、絵巻物の中に、よく見るとその姿が描かれていたりする。素人が見ても見逃してしまう城郭の姿を、解説してくれるこういった書は、本当にありがたい。
気象予報士である著者が、城好きならではの情報も織り交ぜながら、気象予報士の視点で城を論じた本です。「雪」「雨」「風」に対抗した城。火山灰土の特徴を知り、築城に活かした城。気象を読み、気象を味方にした名将たち。意のままにならない気象だからこそ、きちんと知って味方につけることは、名将の条件だったのかも知れません。
城の本質を「軍事的な防御施設」ととらえるということが、当たり前のようでいてハッとさせられた。そこを押さえたうえで、「歴史」「地理・地形」「縄張り(構造)」の3つのポイントを視点に、城について、また、城をめぐる戦いについてを豊富なカラー図版とともに紹介してくれる。また、城の基礎知識にもページが割かれ、初心者にもわかりやすいないようになっている。城を知る3つのポイントを知り、基礎知識も得たら、解説されている「戦いの舞台になった城」、「戦国の城」、「近世の城」に出かけて行きたくてたまらなくなる。
「城郭考古学」の可能性に、読みながらワクワクした。現地で、実物資料(城、城跡)を調べることで築城者の心理まで見えてくる…。城をスタートにして、あらゆる方向に目を向けられ、しかも、誰でもそのスタート地点に立ち、実際に見て、触れて、感じ、考えることができることは、なんて素晴らしいことだろう。更に海外の城と比較し、見えてくるものは何かを考える「比較城郭考古学」なる分野も出てきた。誰でも楽しめる文化財整備についての提言など、著者の積み重ねてきた思いを、たくさん語ってくれます。
「お城について学べる一般書籍」を探していてめぐり逢った1冊です。「城歩き」の素晴らしさを知る著者が、「城歩き」で「人生を豊か」にする手助けをしてくれる本です。古代から最近の復元までのお城の概略が、とてもコンパクトにまとめられています。私は、電子書籍で読みましたが、紙でも新書なので気軽に手にとって持ち歩けるサイズです。箇条書きではなく、文章に書かれていることで、中身が無理なく入ってくるように感じました。
エンジニアの播田氏が、前作に続き、歴史の謎をエンジニアの視点で紐解いていきます。特に造船エンジニアとして様々な検証を数値化したことで、おもしろい仮説となっています。邪馬台国への意外な道筋や、秀吉の朝鮮出兵の失敗原因(しかし、スペインやポルトガルの植民地化を結果的に防げたのではないかとも…)、また、「東郷ターンによる奇跡の勝利」と言われた「日本海海戦」も、実は勝つべくして勝ったなど、科学の目で見た説が展開されます。前作と共に、日本人の「暗黙知」を重要視する精神性から生まれた「ものづくり」のチカラが歴史の流れを支えて来たということがよくわかりました。
「琉球の歴史ってあんまり知らないなぁ」と思い、手にとった本です。日本における江戸時代の頃の琉球の歴史が、首里城内から庶民の生活に至るまで、とてもわかり易く書かれています。本当に違う歴史をたどってきた独立国家(?)だったんだなぁと実感します。領域そのものは東西約1000km、南北約400kmとなかなかに広大ですが、小さな島々の集まりである琉球は、弱く小さな国です。その国を生き永らえさせるための柔軟さ、したたかさに驚かされました。この本の中で、私が強烈に心に残ったのが、首里城正殿前の赤白のシマシマの意味と王妃の選び方です。「えっなになに?」と思った方は、読んでみてください。
古地図からわかる城下町の様子と、現代に残る痕跡が語られています。近世城郭は、都市計画ありきで成り立っていることがよくわかりました。近世において「築城する」ということは、すなわち「お城を中心にしたまちづくり」なんだなぁと実感。加藤清正が城下に豊前街道を通したのは、そこを通って参勤交代する島津氏を監視するとともに、城の威容を見せつけ、戦意を消失させる意図だったとか…。築城名人は、都市計画もできる人だったんですね。
もうすでにお二人の方がレビューされているので言わずもがなですが、エンジニアの視点でデータを数値化して検証していくのがとても面白いです。著者がこの本でずっと述べている日本のものづくりの素晴らしさにも感動しました。また、「秀吉に戦艦大和を運用させたら…」という仮定に一瞬「おぉ、それは見てみたい」と思いましたが、亡くなった大勢の方々には申し訳ないけれど、あそこで負けておいて良かったのだと私個人は思います。
攻城団のプレゼント企画で当選した本です。私は自分の本になると読む速度が一気に落ちてしまうという人なので、他の本を読みながらゆっくりゆっくり読みましたが、実際はとても読み易く、サクッと読める本です。鯛の天ぷらを食べてタイムスリップして記憶をなくした家康が、千田先生と栗原くんに出会い、記憶を取り戻すため縁の城を巡る…という筋立ても面白く、最後は、家臣の城を巡って…という具合で終わります。子供さんでも楽しめ、大人でも十分楽しい本です。活字は苦手で…という人にもオススメします。
中の写真、図が多くて「読みやすそう」と手に取りました。家康を生んだ松平氏について、戦国大名徳川家康の苦悩、家康を支えた家族、家臣団についてなど最新の情報で詳しく著されています。大河ドラマの予習としてもいいですが、「ここはこう解釈されたのか」と復習しながらよむのも一興です。今まで定説になっている「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」の家康像とは、少し違った家康像が見えてきます。
「落とした財布が世界で一番もどってくる日本にしたのは徳川です」のキャッチコピーに惹かれて手に取った本です。民の命を尊重する「福祉」の意識、限られた土地から最大限の収穫を得る農民たちの「知恵と知識」など、徳川の世が現代に及ぼした影響が多く語られます。江戸時代として260年の太平が続いたのはなぜかが納得できる本です。文庫本で156ページというコンパクトさの中に、今につながる、「江戸時代に生きる人々の努力と進歩の足跡」がギュッと詰まっています。
全国の有名な山城への登城ルート、見どころ、アクセスなど詳説されています。写真も豊富かつ、地図と連動してどこから見た風景かがわかるようになっています。山城歩きの服装などの基本情報も載っていて、山城攻城の予習にもピッタリだと思います。予習に使うか、バーチャルで楽しむか、どちらでも楽しめますよ。
山城撮影術も書かれているので、山城あるあるの「何を撮っているかわからない」対策に参考になるかと思います。行きにくい城は、初級、中級、上級、変態とレベル分けされており、レベルが上がるごとに、知名度の低さ、アクセス難度、危険度が増します。そして遺構の魅力も増します。この本で言う「変態」は、褒め言葉です、たぶん…。この本を読んで、行きにくい城に行きたくなったら、この本を片手に攻城しましょう。駐車場、携帯電波状態など、必要な情報が手に入ります。
多分、小学校高学年ぐらいから読めると思います。とても平易な文で、一問一答式で書かれています。著者の前作は「鎌倉バトルロワイヤル」なので、大河ドラマを完璧に意識して書かれているようですが、サクッと一気に読めてしまうので、ドラマの予習に徳川家康についてざっくりと知りたい人には、とてもわかりやすい本だと思います。さらに、アップデートされていく歴史の新説もちゃんと盛り込まれています。
お城初心者の方、100名城、続100名城めぐりをしている方、とにかくお城が好きな方にオススメします。難しいお城用語はあまり出てきませんが(筆者があえて使わないようにしている)、知っておくと楽しめる基本のお城知識を、まずわかりやすく説明してくれているのがいいですね。あとは、「天守を楽しむ」「城下町を楽しむ」など、9つの楽しみ方にピッタリのお城をピックアップしているので、目的にあったお城を探すのに役立ちます。399ページというボリュームの割に、持ち運びのしやすいサイズと重さなので、攻城旅のお供にも良いのではないでしょうか。
50項目にも登る歴史の転換点を地図と地形図で解明する書です。地図、地形図は全てカラー、それだけで、目が惹かれてしまいます。中身を見ると、戦国時代の紀伊の独立性とか、赤穂浪士の討ち入りは仕組まれたものであるとかなども、地理で読み解いていくのが面白く、今まで気づかなかった視点に気付かされ、ナルホド…と納得してしまいます。みなさんはどの項目に唸ってしまうでしょうか?
タイトルにあるように、まず、キーパーソンと時代の流れに沿って、一つ一つの出来事が、それぞれ見開き2ページに整理されています。一目でわかり、「あれ、どうだったのかな」と前へ戻らなくても済み、カラーで写真や図版も多く、情報量の割に、サクサクと読み進められます。見開きページ毎に「時代のギモン」として、その時々のキーワードの解説があり、各章の最後の「ミステリー」のコーナーで、歴史のナゾにスポットを当てているのも、理解が深まるポイントです。鎌倉・室町時代をサクッとおさらいするのにオススメの書です。
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書いてあることの半分も理解できていないけど、狩野山楽について丁寧に紹介されている。「京狩野すごい」や「山楽は天才」というありきたりなスタンスではなく、むしろ「ほかの狩野派の面々が永徳の才能にひれ伏して早々に別のスタイルを模索したのに対して、山楽は最後まで永徳に追いつかんともがいた人」としてちょっと不器用な人扱いになっている。だけど、だからこそ寛永期の二条城改修において曲がりなりにも永徳様式で障壁画を描けたのは山楽だけだという評価にもつながっていておもしろい(「松鷹図」のことです)。
図版も多数収録されており、図版と評論で二度楽しめます。海北友松のパートは勉強不足でまだちゃんと読めてないです。
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