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2022年5月現在攻城団に登録されている東京都のお城は全て攻城し、現在は神奈川、埼玉、栃木、茨城、千葉に行動範囲を広げて攻城中。月一ペースで地方遠征を行い、日本100名城、続日本100名城のスタンプ集めに邁進中の山城大好きの初老のおやじです。

まーちゃんさんのレビュー(書籍)

まーちゃんさんは76件のレビューを投稿しています。

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紫式部の実像 (朝日選書1041)

攻城団定期ライブで榎本先生により紹介され、かつ大河ドラマでも平安時代が舞台となっている事から手に取りました。紫式部、藤原道長、清少納言などが活躍する時代を時系列的に書かれています。清少納言は宮中ライフを謳歌していたようですが、紫式部は夫宣孝の死後道長の勧めで中宮彰子の女房として宮中入りしますが、「若紫物語」「源氏物語」が既に知られ、道長の強い後ろ盾があることが知られており、皆に敬遠され宮中での生活は息苦しかったようです。ちなみに紫式部と清少納言は宮中ではオーバーラップしていないそうです。蛇足ですが、11月1日は「古典の日」となっていますが、寛弘5年(1008)11月1日、「源氏物語」の名がはじめて記録された記念すべき日だそうです。

ざんねんなお城図鑑

黒まめさんのレビューを見て、手に取りました。
精力的にお城巡りをしてきたお陰で、掲載されているお城はほぼ行ったことのあるところばかりで、確かに!!なるほど!!と思わせる所が満載で、楽しく読むことが出来ました。また、全ての漢字には読み仮名がふられており、漢字の苦手な私に非常にやさしい書籍でした。
最後にお城用語集も付いており、小さなお子様でもお城に付いて学ぶことが出来る一冊だと思います。

村人の城・戦国大名の城 (歴史新書y)

1月のオンライン評定で榎本先生から紹介があり、かつ北条氏の領域支配について関心があったので読んでみました。北条氏照が如何に領民の事を考えていたかを理解することが出来ました。また、滝山城、八王子城及びその支城について詳細に書かれており、八王子城が小田原城に劣らない程の惣構えと考えられており、かつ領民の避難場所の役割も果たしていることを知りました。先般この本で紹介されていた境目の番城「滝の城」を攻城してきましたが、是非、八王子城の惣構えを歩いてみたい(大部分は山の中ですが・・・)と思えてきました。と言うことで、歴史好きの方のみならず、城好きの方も楽しめる一冊となっています。

刀狩り: 武器を封印した民衆 (岩波新書 新赤版 965)

築地本願寺セミナー「資料から読み解く中世社会~刀狩り令で刀は没収されたのか~」に参加し、その中で講師の方が紹介されていたので、刀狩りについてもっと知ろうと思い手に取りました。この著書には日本でおこなわれた三つの刀狩り(豊臣秀吉の刀狩り、明治維新の廃刀令、占領軍による民衆の武装解除)について書かれています。豊臣秀吉の刀狩りで農民の武装解除がされ、明治維新の廃刀令で武士の武装解除がされ、世界一治安の良い日本があると思っていましたが、前者は武士と農民を区別する事、後者は一般市民と軍・警・官を区別する事が目的で完全な武装解除ではなく、実は占領軍によって民衆の武装解除が徹底的に行われたことを知りました。この著書を読んで豊臣秀吉の刀狩りに対する考えが少し変わったような気がします。

藤原道長「御堂関白記」を読む (講談社学術文庫)

倉本先生の「平安貴族とは何か」を読ませて頂き、もう少し藤原道長の事を知りたいと思っている時に、攻城団テレビ【定期ライブ】で榎本先生から紹介がありましたので、今回読んでみました。
著書の内容は藤原道長の自筆本「御堂関白記」の中から歴史上重要な時期の部分を抜き出して解説し、道長の人となりを理解することが出来ます。
特に一条天皇とのやり取り、一条天皇から三条天皇に譲位される時、その後の後一条天皇の即位など歴史上の転換期について同時期に書かれた日記「小右記」(藤原実資)「権記」(藤原行成)の内容も合わせて詳細に解説されおり、道長がどのようにして栄華を極めていったのかが非常に良く理解出来ました。
やはり、ここ一番の動きが敏速であり、道長のような栄華を極める事が出来る人は生まれながらにそのような資質を持っているのでしょうね。
2024年の大河ドラマ「光る君へ」に登城する藤原道長に注目です。

平安貴族とは何か 三つの日記で読む実像 (NHK出版新書 707)

次回の大河ドラマで平安時代が舞台となることもあり、平安時代をもっと知りたくて手に取りました。この著書は藤原道長「御堂関白記」、藤原行成「権記」、藤原実資「小右記」の古記録を読み解いて、平安貴族とは何かを解りやすく説明しています。中でも藤原道長の「御堂関白記」は自筆本となっており、書き方や消し方から解ることもあり、古写本では解らない藤原道長の性格等をよく知る事が出来ました。なお、この自筆本、現在まで残っていたことは奇跡だし、道長も約1000年後に大勢の人に見られるなんて予想だにしなかっただろうな、と感じました。一方、藤原行成「権記」、藤原実資「小右記」は古写本となっていますが、その当時の事が詳細に書かれているので、摂関政治として栄華を極めた藤原道長を理解するのに非常に有用な古記録のようです。大河ドラマ「光る君へ」の放映が待ち遠しくさせる一冊でした。

平安京の四〇〇年:王朝社会の光と陰

10月の定期ライブで榎本先生が推薦され、かつ来年の大河ドラマが平安時代が舞台と言うことで、予習のつもりで手に取りました。はっきり言って平安時代に関する知識はあまり有りませんでしたが、この著書には桓武天皇が都を平安京に移してから、摂関政治、院政、そして武士の時代までの約400年の貴族の権力闘争や平安京に住む人びとの営みを知る事が出来ました。特に関心を持ったのは平安京のトイレ事情で、汚い話もあり詳細は割愛しますが、テレビや映画ではなかなかお目にかかれない事なので興味深く読ませて頂きました。来年の大河まで時間はそう有りませんが、その前に是非読んでおく一冊だと思います。

泰平を演じる: 徳川期日本の政治空間と「公然の秘密」

260年近く泰平な世の中であった江戸時代、徳川幕府に付いて知りたくこの本を手にした。
徳川政府(徳川幕府の事)とか、禁裏(朝廷の事)とか、聞き慣れない言葉が所々に出てきて最初は違和感を感じ、アメリカの研究者が書かれたものを翻訳されたものなので仕方がないと思っていましたが、最後まで読み終えると、「そうだったのか」と目から鱗が落ちた気持ちになります。
まとめとしては、徳川政府が把握する「表」の歴史と各大名が把握している「内証」の歴史は違う事をお互いに容認することで争い事のない泰平な世が260年近く続ける事が出来たようです。しかし、諸外国の進出により、この状況を理解させられなかったことから幕府の権威が失墜し、明治維新に繋がったということですが、それに繋がる研究事例がよくまとめられていました。
以上の様に、何故江戸時代が260年近くに渡り泰平な世だったかを理解するのにベストな一冊かと思います。

増補 戦国大名: 政策・統治・戦争 (943;943)

攻城団で戦国大名を知るにはこの一冊との推薦があり、読んでみました。
内容としては、北条氏、武田氏、今川氏の史料を元に戦国大名の領国での政策、統治、そして隣接した国との戦争について書かれていますが、戦国大名に関する史料はことのほか少ない中、北条氏の史料が最も多いそうで、この著書では戦国大名の代表として北条氏の取り組みが中心に書かれています。
私が学校で学んだ太閤検地、刀狩、兵農分離など織豊政権が取り組んできた政策が、実は戦国大名が既に取り組んでいた内容であり、著書の中では戦国大名と織豊政権と比較して大きな違いはないと書かれていました。また、喧嘩両成敗の考え方が戦国時代に生まれていたそうです。
内容は少し難しいですが、戦国大名とは?を知りたい方には最良の一冊かと思いました。

室町幕府論 (講談社学術文庫)

攻城団で室町幕府の事を知るにはベストな一冊として紹介されたので、読んでみました。室町幕府と言えば初代将軍の足利尊氏と三代将軍で金閣寺を建てた義満ぐらいしか知りませんでしたが、この本には室町幕府の政治体制が確立する四代将軍義持までの朝廷の祭祀・儀礼の復興など政治・社会情勢が詳細に書かれています。二代将軍義詮の跡を継いだ足利義満が、権力の象徴として大塔を建て繁栄しましたが、その子、義持は父のやり方を否定した中で政治体制を確立していったとの事です。また、その後の「下剋上」がこの時期の社会変化がきっかけであった事を知り、歴史って脈々と繋がっていることを痛感させられる一冊でした。

眠れないほどおもしろい吾妻鏡: 北条氏が脚色した鎌倉幕府の「公式レポート」 (王様文庫 D 59-8)

鎌倉時代を勉強していると「吾妻鏡」という本の名前をよく耳にするので、今回著書名がいかにも難しくないと思われた「吾妻鏡」の本を手に取りました。
内容的には、筆者が「愚管抄」を書いた慈円になり、治承4年(1180)の以仁王の令旨から文永3年(1266)までの北条びいきで書かれている「吾妻鏡」をベースに慈円「愚管抄」、九条兼実「玉葉」の内容も加味して、読みやすい文書で書かれていますので、楽に読むことが出来、この時代の歴史を簡単に知るには最適な一冊かもしれません。著書名の通り、眠れないほどおもしろいです。

日本100名城と続日本100名城めぐりの旅

城郭検定の勉強にと思い、読み始めました。著書名の通り城郭検定で出される日本100名城、続日本100名城を中心に詳しく、かつ解りやすく書かれています。最初に城の始まりから江戸時代末期の城までお城の発達状況が日本100名城、続100名城を取り上げて説明されており、名城に選ばれたお城が色々な時代を代表するお城であることが解ります。その後はお城の楽しみ方を9つのジャンルに分けて、そのジャンルの代表的なお城の歴史、構造など見どころを知る事が出来、行った時の参考になると感じました。従って城郭検定の勉強の他に日本100名城、続日本100名城巡りにチャレンジされている方にもお勧めだと思います。

あやしい天守閣 ベスト100城+α (イカロス・ムック)

全国に存在する場所が違う、規模が違うなどの復興天守や元々天守は存在していなかった模擬天守、実際の城跡とは関係がない天守閣風建物などが掲載されています。徳川大坂城の天守台の上に豊臣大坂城が建っているのは有名な話ですが、これまで攻城してきた復興天守、模擬天守に付いてもそのお城の歴史を踏まえて「あやしい」と思われる内容が書かれています。先般、久留里城を攻城した際、土の天守台らしき遺構のとなりに模擬天守があり不思議に思っていましたが、しっかりこの本でも紹介されていました。また、模擬天守は犬山城をモデルとして建てられているものが多いとの事ですが、今後模擬天守を攻城した際、どのお城をモデルにしているのか考えながら見ていったら面白いな、と感じました。
天守閣風建物としては東海道新幹線の車窓からよく目にする熱海城には城の復元鳥瞰図で有名な萩原一青画伯の城郭図展が有ることを知り、一度行ってみようと思います。

『吾妻鏡』にみる ここがヘンだよ! 鎌倉武士

歴史を勉強していると時々目にする「吾妻鏡」、その「吾妻鏡」に登場するおもしろ人間を50名紹介されています。前半は源頼朝、北条義時・泰時、和田義盛、梶原景時など歴史上名前が知られている人物が紹介されていますが、後半はこの著書で初めて知った人物が紹介されています。この50名を見ていくと、弓の達人が何と多いことか!!
印象に残ったエピソードを2、3紹介すると、和田義盛の三男、朝夷名義秀が素潜り、素手でサメ三匹捕獲する話、畠山重忠は愛馬を背負って崖を下りたり、およそ3メートルの石を持ち上げたり怪力ぶりを紹介する話、頼朝と政子の次女の三幡の治療にあたった丹波時長が、14才に三幡に薬として水銀を与えられていた話など読んでいても飽きない内容となっています。それにしても、昔の日本人は何という力持ちが多かったことか。また、昔は水銀が薬として使われていたんですね。今では想像も出来ませんが・・・と、いうことで「吾妻鏡」の内容を知らなくても楽しく読める一冊です。

一度はいくべき 行きにくい城 (双葉社スーパームック)

黒まめさんのレビューを見て、読んでみることにしました。
この本では、行きにくい城には遺構が多く残っているということで、敢えて行きにくい城が初級編、中級編、上級編、そして変態編の4グループに分けて掲載されています。初耳の城も有りましたが、日本100名城、続日本100名城に指定されている城も多く紹介されていますので、名城巡りをされている方も参考になると思います。
この本に掲載されている城で行ったことがあるのは初級編の杉山城のみで、今思えばこのお城ですら駅からの往復で1時間半程度をかけてやっと攻城しているので、「行きにくい城」を体感しているので納得です。
掲載されているお城は何れも公共交通機関ではなかなか行きにくい様ですが、車で行く場合に重要な駐車場情報が掲載されているし、トイレの有無、携帯電話の通信状態なども掲載されていますので攻城時非常に役立つと思います。

源頼朝と鎌倉幕府

「日本史の知識をアップデートするための勉強会」の予習として手に取りました。本書は2003年に出版された本の再刊行となっており、その当時著者が学生向けに書いている本なので大変読みやすいです。内容的には、東国で起こった平将門の乱から北条氏中心の体制に移行するまでが解りやすく書かれています。勉強会で使用している高校の日本史教科書で中世が院政の始まりからになっていることがこの本を読んで理解出来ました。また、頼朝が征夷大将軍を欲した訳が2004年に「山槐記」の記事が新たに発見されたことにより変更されているようですが、この著書は2003年に書かれた内容なのでその部分は修正が必要とのことが最後に書かれているので、最後まで読まれることをお勧めします。前述したように学生向けに書かれた本なので、歴史初心者の方も安心して読める一冊だと思います。

承久の乱 日本史のターニングポイント (文春新書)

日本史の知識をアップデートするための勉強会の予習として手に取りました。
本郷先生の本は今回で3冊目となります。
内容的には鎌倉幕府とはどんな政権だったのか、後鳥羽上皇はどのような国政を目指し、また後鳥羽上皇が鎌倉幕府とどのように接してきたのか、など承久の乱に到るまでの幕府と朝廷の関係を初心者にも解りやすく解説されています。
また、承久の乱の経過、さらには何故後鳥羽上皇が敗北したのかも理解することが出来ました。日本の歴史の中で官軍が賊軍に敗れたのは知っている限りではこの承久の乱だけだと思います。そういった意味でも日本史のターニングポイントに相応しい出来事の一つではなかったかと思いますので、この承久の乱を知るのに最適な1冊かと思います。

もっこすの城 熊本築城始末

たなとすさんのレビューを読んで、関心を持ち図書館で借りて読んでみました。
これまで歴史の関する本は数多く読んできたが、今回の様な歴史小説は初めてです。
この小説は、加藤清正に仕える築城家木村藤九郎の成長を描きながら、お城がどのように作られるのかを理解することが出来、また築城する際の関係者たちの葛藤がよく描かれていると思いました。
加藤清正、藤堂高虎など築城名人の大名として知られていますが、その配下で直接に普請作事を行った築城家の存在と役割を知る事が出来る1冊だと思います。

プロが選ぶ! 一度は行ってみたい旅先ランキング (日経ビジネス人文庫)

山鳩さんのレビューをみて、こうの団長もランキングに回答していることを知り、早速図書館で借りて読ませて頂きました。取りあえず最初から読んで行きましたが、まず最初に関係の有りそうなテーマとして「暗夜に浮かぶ城、冬こそ必見」が出てきたのですが、専門家一覧を見ても団長の名前は見つかりませんでした。さらに先に読み進めますと、「1日で散策満喫、ほどよいサイズの城下町」というテーマがあり、専門家一覧の中にこうの団長のお名前を見つけました。選ばれた城下町に付いて専門方の方がコメントを添えているのですが、松山の郷土菓子や出石の蕎麦など食べ物関係のエピソードはさすが団長、と思いました。お城関係は以上の2項目だけだったと思いますが、歴史関係では「幕末維新の歴史を学ぶ旅へ」など、他のランキングもなかなか興味を引く内容でしたので、攻城途中時間があれば立ち寄ってみたいと思いました。

荘園-墾田永年私財法から応仁の乱まで (中公新書 2662)

こうの団長から荘園の事を知りたい方にお勧めの一冊との事でしたので読んでみることにしました。攻城団主催の勉強会でも時々荘園についての出てきますが、その内容が断片的な為に、荘園自体を理解する事が難しかった。しかしこの本は、初期荘園→免田型荘園→領域型荘園への移り変わり、鎌倉時代に入ってからは地頭の設置による荘園への影響、そして室町時代、戦国時代の荘園の消滅まで、荘園を軸に時系列に書かれているので荘園とは何かを理解する上で非常に役立ちました。また、その当時の天候(その当時の温度と降水量が現在のデータを基に推定できるなんて驚きですが・・・)と荘園自体への影響が興味深い研究内容も記載されており、荘園が農業技術の発展と貨幣経済の浸透に多大な影響を及ぼしたこともよく理解出来ました。なお、一番最後の終章に荘園とは何だったのかが簡単にまとめられており、ここだけを読んでも概略は理解出来ると思います。荘園って何?と疑問を持たれた方は是非お読み下さい。

ビジュアル百科 日本の城1000城 1冊でまるわかり!

攻城団に入団する前、これを見て攻城先を決めていました。今でも攻城したらこの本をチェックして掲載されていれば攻城マークを付けています。本の内容としては城趾一覧に加えて、将軍ゆかりの城、籠城戦の舞台となった城などの特集記事、城の歴史と構造の解説まであり、お城巡り初心者の方にお勧めします。

徳川家康の決断-桶狭間から関ヶ原、大坂の陣まで10の選択 (中公新書 2723)

来年の大河ドラマ「どうする家康」に関連した本が多数出版されていますが、桶狭間から関ヶ原、大阪の陣までの10の家康の選択を副題に引かれて手に取りました。本書は徳川家康に起こった10のターニングポイントのみに付いて書かれているのではなく、家康の生涯全般について書かれていますので来年の大河の予習に役立つと思います。筆者は家康の三大危機として①三方ヶ原の合戦②「家康成敗」③「伊賀越え」を上げており、①は知っている方が多いと思いますが武田信玄に大敗北をした戦いで、逃げ帰った浜松城にもし信玄が攻め込んでいたら・・・との事です。③は本能寺の変が起こり三河に引き返す時であり、同行していた梅雪は別行動を取り、落ち武者狩りにあって宇治田原で討たれた事を考えると非常に危なかったと思います。残りの②に付いては今回本書を読んで詳細を知りましたが、実際には畿内に大地震(天正大地震)があり、実行されなかった事を考えると運にも恵まれていたことを感じました。今回紹介のあった10のターニングポイントが来年の大河ドラマでどのように描かれるのか今から楽しみです。

ドタバタ関ヶ原

長谷川ヨシテルさんが書かれた本は今回で4冊目となります。これまで読ませてもらった本と同様、筆者の独特な視線で解りやすく書かれており、最後まで楽しく読ませて頂きました。普通の歴史書に掲載されている史料がなかなか理解するのが難しいですが、この本ではヨシテルさん風に口語で訳され、所々にユーモアがちりばめられていて非常に解りやすかったです。関ヶ原の戦いと並行して、全国各地で東軍と西軍に分かれて戦われており、天下分け目の戦いとよく言ったものだなと感じました。また、関ヶ原の戦いが歴史を遡ると2回もあった事を知り、関ヶ原が昔から重要な地域であると感じました。来年の大河ドラマ「どうする家康」の予習に丁度よかったです。ストーリー的には来年終盤での放送だと思いますが、その時読み返してみたくなる一冊です。

超約版 家康名語録

販売開始後、即購入。第一印象は非常に読みやすい。内容が頭にスーと入ってくる感じ。徳川家康が直接言ったかどうかはさておいて、260年近く泰平の世の礎を築いた家康の偉大さがひしひしと感じられる逸話揃いです。各逸話の最後に書かれたコメントが現代に置き換えて述べられているので、より理解を深めることが出来ます。来年から始まる大河ドラマ「どうする家康」が待ち遠しいです。

トンチキ鎌倉武士

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」もクライマックスに近づいてきている中、復習のつもりで手に取りました。長谷川ヨシテルさんの著書は今回で3冊目となります。一般的な歴史書とは違い、楽しみながら登場人物をよりよく知る事が出来ます。また、登場人物の末裔のお話は非常に面白く、鎌倉幕府の文士として有名な大江広元の末裔が毛利氏であることを知り、へーボタンを押しちゃいました。その時代に滅ぼされた一族の末裔がその後の室町、戦国時代で活躍されていることを知り、少しホッとしました。大河ドラマの影響を受けすぎかもしれませんが・・・

カラー版 東京で見つける江戸 (975;975) (平凡社新書 975)

自分が住んでいる東京を再発見したくて読んでみました。関東大震災、東京空襲などを乗り越えた江戸時代の建築物、建造物が多数残っていることを知りました。この本を片手に江戸城遺構、大名庭園、そして神社仏閣など東京都内を巡るのも面白いな、と思いました。それにしても江戸城内の御殿、よく焼失しているんですね。江戸は火事が多いとは知っていましたが、江戸城の無血開場時、西の丸の仮御殿(現在の皇居)のみで本丸、二の丸両御殿がなかったのは驚きでした。自宅の近くの池上本門寺も紹介されていたので、時間を見つけて散策して江戸情緒を味わいたいと思います。

鎌倉幕府と室町幕府: 最新研究でわかった実像 (光文社新書)

鎌倉幕府と室町幕府を比較するような題名に興味持ち手に取りました。本著書は6つのテーマに分かれており若い研究者(皆さんの生まれ年が1980年代でしたので、勝手に判断)の方4名が分担して書かれています。面白いのは、本来専門ではないテーマを担当されており、テーマについてのこれまでの研究内容と最近の研究動向について詳しく書かれており、中学、高校の日本史の教科書が書き換えられていく過程を垣間見ることが出来ました。
そして最終章に本著書の出版に参加された若い研究者の方による座談会の内容が面白く、鎌倉幕府と室町幕府の強さに付いて、対朝廷関係では室町幕府、全国支配という意味では鎌倉幕府、軍事力の強さでは鎌倉幕府、そうすると軍事的に強くはなかった室鉢幕府が何故存続したのか、また軍事的にも全盛期の鎌倉幕府が何故滅亡したのかが今後の研究テーマになるようです。日本史を研究されている方、頑張って下さい。応援しています。

新幹線から見える日本の名城

東京駅から博多駅めで新幹線に乗って最初に見えてくる江戸城、そして最後に見える小倉城、そしてその間の車窓から見える名城の歴史、及び見どころを紹介しています。
気になるのはどちら側の窓から見えるかですが、江戸城から彦根城までは小田原城を除いて右側に見え、明石城は左、姫路城は右、岡山城は左、福山城は右、広島城は左となっており、それ以降は小倉城まで左側となっているようです。意外だったのは名古屋城、今まで左側に有るものと思っていましたので、名古屋駅近辺では一生懸命左側を見ていました(そりゃ見えないわ)。その他、見えそうで見えないお城として駿府城、大坂城、三原城が紹介されており、確かに新幹線から見たことがないな、と納得しました。と、言うことで、仕事や遊びで新幹線を利用する機会の多い方にオススメの一冊です。

図説 近世城郭の作事 櫓・城門編

三浦先生が書かれた「近世城郭の作事 天守編」に続き、今回は「櫓・城門・土塀」編を読みました。特に、城門、土塀については書いてあることのほとんどが初めて知る事でした。城門の種類ですが、薬医門は安土桃山時代だけで、高麗門は文禄・慶長の役で朝鮮半島での築城時に発明され、構造は薬医門と変わりませんが屋根が小さいので防戦上で有利、屋根が小さいので用材が少なくて済むなど、関ヶ原の戦い後、薬医門から進化した高麗門に取って代わられたそうで、現在城跡に残っているのは圧倒的に高麗門で、医薬門は少ないとの事です。また、関ヶ原以前の櫓門では石落がないので、櫓門の石落は関ヶ原以降の発明と考えられるとの事を初めて知ります。土塀についても、付壁塀、築壁塀など色々な種類があるそうで、天守、櫓以外に城門、土塀にも注目することにより、新たなお城巡りの楽しみを再発見させてもらえた一冊だと思います。

牛車で行こう!: 平安貴族と乗り物文化

こうの団長が攻城団テレビの中で紹介されているのを見て、面白そうだなと思い、読んでみました。牛車は絵巻物等でよく目にしますが、詳しいことは知りませんでした。牛車は後ろから乗って、前から下りる事は聴いて知っていましたが、牛車が4人乗りであることをはじめて知りました。また、牛車には唐車、檳榔毛車、糸毛車、網代車など色々な種類があり、その牛車の種類によって乗っている人の身分が外から見て解ったとの事です。平家物語絵巻で木曽義仲が牛車の後ろから下りた事によって、義仲がいかに田舎者であったかを表すものだそうですが、そもそも牛車に乗るルールを知らなければ理解出来ないでしょう。また、江戸幕府老中で寛政の改革を行った人物として有名な松平定信が老中を退いてから牛車の文化を研究し、「輿車図考」(よしゃずこう)を残したことを知り、有能な方は何をやっても名を残すのだな、と強く感じました。と言うことで、牛車に乗ってみたいと一度は思われた方であれば十分楽しんで頂ける一冊田と思います。

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今日のレビュー

日本百城下町: ゆったり街さんぽ

お城を訪問する際はできるだけ現地に宿泊して郷土料理を食べて、城下町もまるごと楽しみたいのでありがたい一冊です。
まだ行ったことのない城下町もたくさん掲載されていて、今後は攻城計画を練る際にこの本で予習しようと思います!

こうの)

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