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歴史的には無名でも、築城者が生き残るために必死で作り上げたことが感じられるような城が大好物。有名な城でも見落とされがちなところを写真で紹介したいので、見られる遺構はできれば全部歩いて回って写真を撮ろうとします。見学にも時間がかかり、1日に4城以上攻めることはまずありません。
投稿する写真は、そのお城をプロモートするようなつもりで、実際に行って見てみたいと思えるようなシーンを狙ったものが基本です。でも現場ではつい興奮してカメラの設定をミスることもあったりします…。

CLADさんのレビュー(書籍)

CLADさんは9件のレビューを投稿しています。

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信濃をめぐる境目の山城と館 上野編

群馬県西部の城と館を網羅的に実地調査した結果をまとめたもの。縄張り図のみならず本文も筆者の手書きのままなので、開いた瞬間は驚くが、その情報量の多さに圧倒される。断面の高低差を表した図はとてもユニークで、遺構の様子が立体的に想像できる。
かなり高価なので、手ごろな価格で古本があれば逃さず買っておきたい。

火天の城 (文春文庫)

熱田の宮大工父子が織田信長の命を受け、近江の安土山に空前の巨大な天主を築き上げる物語。大工以外にも石工や瓦職人、木こりといった戦国武将以外の登場人物を生き生きと描き出し、松本清張賞を受賞したユニークな力作だ。親子の葛藤や若い棟梁の成長物語といった小説としての作法のほか、普請の様子が丁寧に書かれているところも、城好きにとっては魅力的といえる。

アンソロジーしずおか戦国の城

10人の作家が、静岡県内10か所の城を舞台にした書き下ろし短編のアンソロジー。桶狭間で今川義元が討死した永禄三年から、武田と徳川が今川領に攻め込んで分割支配した後、三方ヶ原の戦い、信玄の死去、武田家の滅亡、小田原攻めまでの30年弱に行われた攻城戦の様子を活写した力作ぞろいです。武田の丸馬出や北条の畝堀、下田の海戦など、それぞれの城の様子も描かれており、読んでいると実際にお城を訪れてみたくなるのもおススメのポイントです。

全国 御城印 大図鑑

お城の解説に中途半端に目配りしていない点が特徴的で、例えば中国・四国地方では新高山城、小倉山城に1ページを当てている一方、丸亀城や宇和島城は4分の1ページに収められています。お城の解説本は他にいくらでもあるので、御城印に的を絞った結果、収録件数が最多というだけでなく、デザインや紙の素材まで丹念に解説が加えられています。
実際に御城印を入手してから、その解説を読むことで二度楽しめるというところにこの本の価値があり、ブームに乗って急いで作られた類書とは一線を画す出来栄えだと思います。

最低の軍師 (祥伝社文庫)

千葉の臼井城を攻城したときに、たまたま通りすがった謙信一夜城。それらの思い出がこの本を手に取らせました。上杉謙信による臼井城攻めが丸々一冊の主題になるということが意外だったからです。そして、ハマりました。
資料の乏しい歴史上の出来事や実在の人物について、想像力の翼を広げて自在に物語を紡いでいきます。その筆力に脱帽。この著者はしばらく追いかけてみようと思います。

くせものの譜 (文春文庫)

たまたま団員総会の前後で読んでいたのですが、5本の時代小説連作短編のうち、4本目と5本目で越前松平家が重要なかかわりを持っています。特に4本目の越前騒動で丸岡にいた家老が失脚した部分、5本目の大坂の陣では松平忠直の必死の攻撃など、タイムリー過ぎて驚きました。多くの主家を渡り歩いた御宿勘兵衛という魅力的な主人公が、時には狂言回しのようにもなり、全く飽きさせません。

戦国 戦(いくさ)の作法

戦国時代は散々ドラマにもなっているため、この本に書かれているような目から鱗が落ちることがたくさんあるというのは意外に思えます。やはりドラマとして現代の視聴者に見せるためには、時代考証も正確さを追求するだけでなく、そこそこのところで妥協しているのでしょう。考えてみれば、戦に負けたら女性は乱暴された上に奴隷として売り飛ばされるとか、首実検の正しい作法なんて、ドラマにできませんからね…。
内容はさすがの小和田哲男先生監修ですが、唯一の残念ポイントはお城のイラストです。鳥瞰図がちょっと日本の城というより西洋の城みたいなんですよね。

明石城完全攻城ガイド

各見所のポイントを箇条書きにしたところは新鮮でした。だらだらと文章で書かれるより良いですね。文章を読ませたいわけではなく、見所をプロモーションしたいわけなのだから。
見落とされがちな遺構を丹念に拾っているのも好感が持てます。複数の城を紹介した書籍では、その中の1つの城にここまでは紙幅を割けないですからね。
1つの城について1冊にまとめて刊行されるのは(地元の歴史家の自費出版を除くと)一部の有名城郭に限られるので、ややマイナーな城をフィーチャーしたこういう取り組みは価値があると思います。シリーズ化を期待します。

「東国の城」の進化と歴史

これまでは枡形や横矢掛り、馬出といったパーツの機能は知っていても、縄張全体の意図を理解できていなかったのだと、この本を読んでよくわかった。
その城だけを取り出してもあまり意味はなく、特定の立地条件の中に置いたときに初めてその機能がわかる。近世の名古屋城のような城でも、立地とのかかわりが濃いことはブラタモリなどでも紹介されているが、戦国時代の城では築城者の戦略との密接な連関が必ずあり、それを読み取ることは私たちの理解を深め、攻城の楽しみを増してくれる。
関東の土の城に興味をお持ちの方には一読を薦めたい。

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今日のレビュー

悪党の戦旗 嘉吉の乱始末 (日経文芸文庫)

嘉吉元年1441年、時の将軍足利義教が赤松一族に殺される、いわゆる、嘉吉の乱からはじまる物語です。
播磨、備前、美作の守護を領していた大大名が、何故時の将軍を討ったのか、結果、討ち滅ぼされてから、お家再興のため、悪党と呼ばれながらも時代の流れに抗う様が描かれております。
昔よくいったお祭り、奇祭さいれん坊主が赤松一族の霊を弔うものとは知りませんでした。

デュラけんさん)

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