大塚城
大塚城

[大阪府][摂津] 大阪府大阪市天王寺区茶臼山町


  • 平均評価:★★★☆☆ 2.70(--位)
  • 見学時間:28分(--位)
  • 攻城人数:286(352位)

真田幸村という人

真田幸村という人
hiro.E

茶臼山山頂にある立札6枚最後の紹介です。
 真田幸村の本名は真田信繁(以下・・幸村)といい、武田家の家臣だった父・真田昌幸の次男として生まれました。「幸村」というのは後世の軍記物に記された名前です。変名を使ったのは真田幸村が天下人である徳川に逆らった人物だったため軍記物で描くのに遠慮があったのではないかと言われています。戦国時代の最後の戦いである大坂の陣で活躍し「日本一の兵(つわもの)」と称された人物です。
 幸村の父・真田昌幸は武田家の家臣であり武田信玄とその子勝頼に仕えていたのですが、一五八二年勝頼は織田信長に敗れ滅亡します。その後、真田家をめぐる情勢は戦国の世を象徴するようにめまぐるしく変わり、兄の信之は徳川家康とその家臣である本田(多?)忠勝に見込まれ縁組をする一方、昌幸と幸村は豊臣直属の大名となります。天下分け目の関ヶ原の戦いでは皮肉にも信之と昌幸・幸村が東軍・西軍に分かれ戦火を交えることになりますが、このときどちらが勝ってもいいように別れたという説は有名です。敗者になり本来処刑となるはずの昌幸と幸村を信之と本田(多?)忠勝が徳川家康にとりなして命を助け、代わりに九度山に配流されたことから考えると、この説は策士らしい真田家の真実なのかもしれません。九度山でひっそりと生活を送ることになった昌幸と幸村は、武将としての地位を失い、信之からの仕送りや真田紐と呼ばれる商品を販売して生計を立てていたといわれています。この後、家康と大坂の陣で再び激闘を繰り広げることになるなど、この時はまだ夢にも思っていなかったでしょう。
 しかし、徳川家康は豊臣家を滅ぼしたいとの考えが消えず、方広寺の鐘銘事件(※豊臣秀頼が徳川家康の勧めで方広寺大仏を再建した際、鐘の銘文中「国家安康」と「君臣豊楽」の字句が家康の名を分割し身を切断することを意味することと、豊臣家の繁栄を祈願しているという理由で非難し、大仏の開眼を遅らせ豊臣方を憤慨させた出来事)などで難癖をつけ豊臣家に挙兵を煽ります。これが一六一四年に起きた大坂の陣の始まりで、実は幸村はこの時すでに四七歳でそれまで大きな活躍がありませんでした。昌幸は一六一一年に死去しており戦乱を迎えることはありませんでしたが、幸村は豊臣方の誘いに乗り挙兵することを決めます。紀州の山奥でひっそりと終わるよりも武将として戦場に身を置くことを選びます。
 大坂冬の陣における幸村の活躍は目をみはるものがあり、その勇名は知れ渡ります。とくに真田丸での攻防は徳川を攻めあぐねさせついに戦から講和での決着へと導きました。幸村の実力を認めた家康から寝返るように誘いをかけられたときにも最後まで豊臣家に忠誠を尽くし武将としてのプライドを貫きます。
 最後の戦いの舞台となったこの茶臼山での「天王寺口の戦い」に於いても、幸村は、その武将としての才能を遺憾なく発揮し、わずか三千五百の兵で一万五千の越前隊を相手に真っ向勝負を挑み徳川家康の本陣に突撃し、武田信玄に三方ヶ原で敗れて以来一度も倒されたことがなかった家康の馬印(※武将が己の存在を誇示するために立てる旗)を倒し家康に自害を覚悟させるほど追いつめたといわれています。しかし時間と共に兵力の少ない豊臣方は劣勢に陥り、真田隊も安居神社まで軍を引かせます。幸村は神社の境内で傷ついた体を休めていたところ松平忠直の部隊に発見され、西尾仁左衛門という武将に打ち取られました。この時「我が首を手柄にせよ」と敵に告げたそうです。幸村らしい潔い最後と言えるでしょう。
 武将としての誇りを持って戦った幸村の奮闘ぶりはすさまじく、敵方の武将たちの間でもその名は知れ渡りました。戦国時代の最後の戦いを飾った武将として伝説化したため美化された部分も多いと言われていますが、すでに天下人であり圧倒的に有利な状況にいた家康の本陣を幸村が突き崩したのは事実であり、その勇士が人々に痛快さを感じさせたのでしょう。今の時代に幸村が再びスポットを浴びるのは、自分の道を貫き通したその男としての生き様が注目されているからかもしれません。私利私欲に溺れるのではなく受けた恩義を大切にし、芯を持って決してぶれることなく己の使命を全うし自分より大きく強いものに真正面から立ち向かっていく潔さと、分厚いまっすぐな強さが今も昔も人々の心をつかんではなさないのかもしれません。

   

この写真をいろんなキーワードで分類してみましょう。

  • まだ登録されていません

カメラ情報

機種名Canon Canon EOS M2
ISO
F値
ホワイトバランス
シャッタースピード
レンズ焦点距離
フラッシュ
露出モード
露出時間
画像方向水平(標準)

hiro.Eさんの当日の行程

大塚城のほかの写真

すべてを表示

hiro.Eさんのほかの写真

すべてを表示

フォローしませんか

攻城団のアカウントをフォローすれば、SNS経由で最新記事の情報を受け取ることができます。
(フォローするのに攻城団の登録は不要です)

今日のレビュー

冗談新選組

マンガ本編も最高だけど、作者のみなもと太郎先生と『真田丸』の脚本を担当された三谷幸喜さんの対談がすごくいいです。このふたりの歴史の楽しみ方はすごく共感できます。

こうの)

書籍ページを表示する

すべてのレビューを表示する

フィードバックのお願い

攻城団のご利用ありがとうございます。不具合報告だけでなく、サイトへのご意見や記事のご感想など、いつでも何度でもお寄せください。 フィードバック

読者投稿欄

いまお時間ありますか? ぜひお題に答えてください! 読者投稿欄に投稿する

トップへ
戻る