加世田城は島津氏中興の祖である島津忠良(日新斎)の隠居城として知られています。もとは平家の一族である別府氏が平安時代末期に築いた居城で、別府城とも呼ばれています。1420年(応永27年)に別府氏が島津久豊に降ると、以後は島津領となっています。1538年(天文7年)に島津宗家の家督をめぐって島津実久と争った際には、忠良が猛攻を加えて攻め落としています。深く禅宗(曹洞宗)に帰依していた忠良はこの地に保泉寺を再建し、それが忠良の死後に日新寺と改められましたが、明治時代に廃仏毀釈で廃寺となり、その跡地に忠良を祭神とする竹田神社が建立されています。現在城址は「尼ヶ城公園」として整備されており、石碑が建てられています。
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おそらく、八王子城の解説本の中で最も重要な一冊でしょう。
八王子城跡が現在のように整備されたのは、落城400年にあたる1990年以降のことです。本書の出版も同時期で、出版後に発見された遺構もあれば、今は目にすることのできない遺構も多数あります。言い換えると、1990年当時の八王子城跡の姿を記録した書であるとも言えます。八王子城に興味を持ってくださった方にはお薦めの一冊です。すでに廃刊となっていますので、古書店か図書館で探してください。
トンネル工事や台風・地震などにより、現在は失われてしまった石垣などの貴重な写真も多数掲載されていますが、白黒で小さいため分かり辛いのが残念。
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