真説 真田名刀伝 大型本

西国将軍
西国将軍さん

真田信繁(幸村)の最後の刀となった「茶臼割り」という名刀の話。真田家の歴史を刀でどう語るのかと興味津々ではあったけれど、良い意味で裏切られた。メインは持ち主の海野能登守。なかなか題材にならない人物が主役の本が読めることは嬉しい。
上杉・北条・武田らの大名に囲まれた信濃・上野の小さき国衆らの生存競争を海野視点で描ききる。そして幸隆、昌幸親子が、他者視点で描かれると非常に嫌な謀略家として描かれることが多いが、本作もそうだったりする。外様で信玄に重用されるためには謀で何とかするしかなく、仕方ないのかもしれない。時勢を読む目と、小競り合いのような争いを繰り広げて、目まぐるしく戦国は動いていったんだろうと思うと感慨深い。
様々な史料に当たったうえで、淡々とした語り口に迫力があり、期待を裏切らない。
武器に詳しい作者ならではの情報量は圧巻で、刀剣類の薀蓄には、ただ脱帽する。

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書籍の情報

タイトル 真説 真田名刀伝
著者 東郷 隆
出版社 角川春樹事務所
発売日 2016-02-29
ISBN
  • ISBN-10 4758412774
  • ISBN-13 9784758412773
価格 1728円
ページ数 268ページ

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中の写真、図が多くて「読みやすそう」と手に取りました。家康を生んだ松平氏について、戦国大名徳川家康の苦悩、家康を支えた家族、家臣団についてなど最新の情報で詳しく著されています。大河ドラマの予習としてもいいですが、「ここはこう解釈されたのか」と復習しながらよむのも一興です。今まで定説になっている「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」の家康像とは、少し違った家康像が見えてきます。

黒まめさん)

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