松本清張の描く戦国武将達は、史実を要所に散りばめながらも清張の人間観察の鋭さが目立ち、目が離せない。
キーワードのひとつは被圧迫感。
圧倒的な実力差から、圧迫される側が感じる圧迫感。結局その圧迫感に堪えきれず、折れるのは心。そういう場面を何度も見ることになる。丹羽長秀や石川数正が秀吉に対して、稲富祐直は家康に。
秀吉が愛されるわけ。
いろいろな短編に秀吉が登場するけれど、秀吉が人に好意を持たれることに清張はひとつの条件を設けているように思う。信長や長秀が秀吉を可愛がるのは、立場の目上の人間から目下の人間を見た可愛がりようで、上下の関係性において発揮されるもの。だから長秀や家康は、目下の頃の秀吉には好意を持っていたが、自分と肩を並べ一気に抜きさった秀吉には好意が敵意や反抗心へと変わる。
これは立場を追いつめられ、追い越されたからこその感情であって、逆に秀吉がもともと目上にいたものにとってはどうであったか。
タイトル | 松本清張ジャンル別作品集(1) 武将列伝 (双葉文庫) |
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著者 | 松本 清張 |
出版社 | 双葉社 |
発売日 | 2016-07-14 |
ISBN |
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価格 | 670円 |
ページ数 | 312ページ |
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