城の防御システムの一つである土塁(どるい)は、中世城郭(ちゅうせいじょうかく)だけでなく近世城郭(きんせいじょうかく)においても多用されました。
強度を増すための工夫として、植物を植えたり石垣と組み合わせたりされました。
今回はこれらの土塁の種類について学んで行きましょう。
種類
土塁(どるい)はもともと土居(どい)と呼ばれていました。
土を盛り上げた土塁は、その作り方によって種類が分けられます。
たたき土居(たたきどい)
粘土や小石を土に混ぜてつき固めて築いたものを「たたき土居」と言います。
敷が8間で勾配は45°がよいとされます。
芝土居(しばどい)
法面の崩れを防ぐために芝を植えて築いた土塁のことを「芝土居」と言います。
敷は6間で勾配は約60°となり、たたき土居よりも傾斜を急に作ることができます。
これは芝の根が張って法面の崩れを防ぐことができるためです。
鉢巻石垣(はちまきいしがき)
土塁の補強のため、土塁の上の部分に石垣を築いたものがあります。
これを「鉢巻石垣」(はちまきいしがき)と言います。
高さは1間(約2 m)程度のものが多く、石垣の上に建てられる櫓や土塀の基礎の役割もしていました。
腰巻石垣(こしまきいしがき)
土塁の補強のために土塁の下の部分のみを石垣としたものを「腰巻石垣」(こしまきいしがき)と言います。
土塁の崩れや土の流れを止めるための土留めの役割がありました。
そのため腰巻石垣は鉢巻石垣よりも低くなっています。
水堀の中から土塁が立ち上がるところに多く作られているのが特徴です。
まとめ
土塁にはその作り方によって、たたき土居、芝土居、鉢巻石垣、腰巻石垣などの種類があります。
それぞれのお城を訪れた際は土塁の種類についても注目してみましょう。
ということで、土塁の種類というお話でした。
じゃあね🖐️
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