ぶじにクラウドファンディングの目標を達成した『戦国みにまる-甲相駿編-』ですが、製作者のshigekiさんから試遊版を送っていただいたので、遊んでみました(役得ですね)。
「(達成に向けて)あとひと押しをするための記事を書くから」といただいたものの、ありがたいことに記事を書く前に達成となり、ちょっと間の抜けたタイミングでの公開となりますが、いまでもまだ購入(支援)可能ですので、おもしろそうだなと思ったらぜひご支援ください。
ほんとうは「攻城団カードゲーム部」を立ち上げて、複数人で遊んでいるところを写真や動画で撮りたかったのですが、この時期に飛沫感染のリスクがある距離でカードゲームを遊ぶという判断がどうしてもできなくて、ひとり3役で遊んでみることにしました。
早く安心してゲーム大会が開催できるといいですね。
一見シンプルなのにかなり練り込まれた奥深いゲームシステム
まずはじめにこのゲームのルールをざっくりと説明しますね。
- カードには「城カード(15枚)」と「武将カード(19枚×3勢力)」がある
- 最初に各プレイヤーに7枚のカードが配られる(残りは山札として置いておく)
- 時計回りに手番がまわり、城カードを奪い合うのが目的
- 自分の手番では「城カードとそれを守る武将カード(守将)を出す」「すでに場に出ている城カードを奪うために(場に出ていない勢力でかつ戦力で上回る)武将カードを出す」「山札から1枚引く」の選択肢がある
- 山札がなくなったらゲーム終了、その時点で獲得した城カードの総得点が多い人が勝ち
城カードの得点は3点、5点、10点とあるので、いかに10点の城を奪えるかが鍵になります。
武将カードは1点から5点に加え、姫カード(0点)と大名カード(最強)があります。
この姫と大名もそうなのですが、武将カードには必ずシンボルマークが描いてあり、その特性に応じて戦略性が追加されています。
たとえば大名カードを出せば無条件で最大戦力としてカウントされるとか、姫カードを出せば誰も大名カードを出せない(ただし姫カードが出された状態で姫カードを出せば効果が打ち消される)とか。
基本は「足軽」「騎馬」「鉄砲」「水軍」とゲームでよく見る兵種のシンボルが描いてあって、城に描かれたシンボル(城の弱点を表す)と同じ場合に武将カードの戦力に1点加算されるというものですが、ほかにも「軍師」「外交」「忍者」「調略」「内政」「知略」とさまざまな特性を持った武将カードがあります。
この特性をうまく使いこなすのがゲームの醍醐味っぽいですね。
ベタなのは城カードを守ったり攻めたりする際は同じシンボルを持った武将カードを優先的に出すとか、最高得点の10点の城カードを奪う場合は積極的に大名カードを使うとかでしょうか。ただし大名カードが出ている状態で別のプレイヤーが大名カードを出すと、後者の勝ちになるので守将として城カードと同時に出すにはリスクがあるとか、ルールがよく考えられています。
ぶっちゃけぼくも完璧にルールを理解できてるわけじゃないのですが、shigekiさんさんによれば小学1年生のお嬢さんも楽しんでるようなので、何回かプレイすればおぼえられそうですね。
ひとりプレイでシミュレーションしてみた
では百聞は一見にしかず、ということでどんな感じでゲームが進むのか、プレイレポートを書いてみます。
最初に配り終わったのがこんな状態です。
いちおう手前がぼくの想定で、3人での対戦イメージです。
カード配りにズルはしてないのですが、武将カードも三勢力あるし、城カードも2枚あるので、なかなかいいバランスです。大名カードもありますしね。
まずは手堅く高遠城(3点)を獲るために、北条氏政といっしょに出します。
どちらも「足軽」シンボルなので、氏政の戦力は4にアップします。
ここからは右さん、左さんのカードも見える状態で進めます。
左さんは北条家のカードに偏ってますね。右さんは城カードが4枚もあってすごいんだけど、このゲームは城カードを単独で出せない(必ず守将としての武将カードといっしょに出さなければならない)ので、このバランスでは苦戦しそう。
あ、なんかえらそうに解説をしてますが、ぼくもまだルールブックを読みながらやってるレベルなのでとんちんかんなコメントかもしれません。
時計回りに進むので、次は左さんですが、北条家以外の勢力を出さないといけないのでこのターンは出す武将カードがありません。山札から1枚取ります。
右さんは土屋昌恒を出せます(土屋昌恒も足軽なので戦力4になる)が同点にしかならず、次のターンで追加できる武田家の武将カードがないので、山札から1枚取ることにします。
けっきょく最初のターンでは誰も攻めてこなかったのでそのまま高遠城を獲得できました。
2ターン目ですが、玉縄城を出しても勝てそうにない(大名カードの今川義元は10点の城カードで使いたい)ので山札から1枚取ることにします。
続いて左さんが仕掛けてきました。
10点の高天神城を出してきます。守将は戦力5の北条氏邦です。左さんは北条家の武将カードをたくさん持ってるので長期戦になっても増援できると踏んでの勝負です。
右さんは「北条家以外」で「戦力5以上」のカードを持ってないので、山札から1枚取ります。
次はぼくの手番ですが、大名カードはここで使うしかありませんね。
もしここで左さんが北条家の大名カード(北条氏康)を出せば勝てるのですが、持ってなかったのでぼくが高天神城の奪取に成功です。やったね。
続いて玉縄城に小山田信茂を守将につけて出します。
高天神城を獲れたので余裕ができたのと、城カードを残したまま終わってしまうとマイナスポイントになるので出せるときに出しとくという考えです。
(このへんの戦略性がうまいなと思いました)
こうやって見ると右さんは城カードを抱え込みすぎててヤバそうです。
一方の左さんは城カードが1枚もないのでこれもやりづらそう。
戦力2の小山田信茂なので、当然のように左さん、右さんも参戦してきます。
まず左さんが戦力3の北条綱高を出し、次に右さんが同じく戦力3の菅沼定盈を出します。このまま拮抗状態になれば城カードは勝敗つかずで誰も手にすることができませんが、右さんはもし誰も増援しない場合は今川家のカードを追加で出せるので確実に城を落とせると判断したのでしょう。
ぼくは手持ちに武田家の武将カードが松姫(0点の姫カード)しかないので合戦を降りて山札から1枚取ります。
左さんはここで「忍者」のシンボルを持つ風魔小太郎を出して増援します。忍者はほかのプレイヤーのカードを2枚奪えるというなかなか強力なカードです。
左さんはぼくと右さんから1枚ずつ奪います。
右さんも戦力3の菅沼定利を増援します。これで戦力の合計が6となり一歩リードです。
ぼくは山札から1枚取り、右さんは戦力2の遠山綱景を増援してまたリードします。
3点にしかならない玉縄城のために武将を投入しすぎのような気もしますが、このへんの「いつ降りるか」もカードゲームでよく見る心理戦ですよね。
けっきょく右さんはさらに戦力2の葛山氏元を増援します。
左さんも4人目の武将カード、多目元忠を投入してようやく決着がつきました。
とまあこんな感じで、誰かが城カード(と守将となる武将カード)を場に出すことで合戦がはじまり、戦力の合計値を競いつつ城カードを奪い合うという流れです。
「パス」代わりとして山札からカードを引きますが、この山札がなくなった時点でゲーム終了です。
(そういう意味では有利な状況では積極的に山札の枚数を減らすのも戦略なのか)
この時点で獲得した城カード、手元に残してしまった城カードを計算します。
プレイヤー | 獲得点 | マイナス | 合計点 |
---|---|---|---|
ぼく | 18点 | 0点 | 18点 |
右さん | 10点 | ▲14点 | ▲4点 |
左さん | 13点 | 0点 | 13点 |
というわけで今回はぼくが勝ちました!
ちなみに上の図の状態のように、山札がなくなった時点で攻防中の城カードはそのままになります(誰も獲得できない)。
また手元に残った武将カードはポイントに影響しませんので左さんのように大量の武将カードを抱えていても大丈夫です。城の獲得には武将カードが必要になるので、とくに序盤は積極的に山札からカードを引いて武将を増やすのも戦略ですね。
今回は序盤の数ターンだけの紹介となりましたが、なんとなくこのゲームの遊び方は伝わったんじゃないかと思います。
やっぱりこのゲームはおもしろいぞ
ひとり3役で数回遊んだだけなので、まだこのゲームのほんとうのおもしろさを語ることはできないのですが、単純そうに見えてかなり奥深いゲームだと思いました。
とくに武将ごとのシンボルは種類が多くて、ターンごとに確認しながら進めました。何回か遊んでるとおぼえちゃうと思うんですけどね。
今回のテストプレイではうまく大名カードを使うことができましたが、手持ちに同勢力の武将カードがたくさんある場合は、城カードといっしょに姫カードを出すことでほかのプレイヤーが大名カードで強引に奪取することを未然に防げます。
ほかにも「調略」の特性を持った武将カードを出すと次のターンでは別勢力のカードを出せるようになる(切り替えなので以降はその勢力にしばられる)とか、「外交」の特性を持った武将カードを出すとトランプゲーム「大富豪の「革命」のように一時的にルールが変更となり、戦力の小さいほうが勝つとか、紹介しきれてないルールもいくつかありますが、どのカードをいつ使うかという判断など、戦略性が問われるゲームになっています。
その一方で最初に配られたカードでかなり有利不利ができるのも事実で、運の要素も大きいです。今回だと7枚中4枚が城カードの右さんは初期カードがかなり不利だったと思います。
ぼくはゲームに大事なのは戦略性と運のバランスだと思ってるので、この「戦国みにまる」はいい感じにバランスが取れてるなと感じました。
でも! やっぱり! ひとりで遊んでも楽しくない!
プレイヤー数としては3〜4人がベストみたいなので、はやく複数人で遊んでみたいです。
クラウドファンディングでの購入は9月7日までなので、もうあと一週間ほどしかありませんが、仲間が増えることを期待しています!
そしていつか攻城団主催の大会を開催したいと思ってるので参加してくださいね。
製作者のshigekiさんにいろいろ聞いたインタビュー記事はこちら。