天守にはたくさんの窓がついています。
その窓は明かりをとる目的と、敵の動きを見張る物見、攻めてくる敵を迎え撃つという役割があります。
天守ならではの特長もあるので、今回はそれらを見ていきましょう。
窓の形と役割
天守の窓の形には意味があります。
そして意味があるということは役割もあるということです。
それを順に見ていきましょう。
連子窓(れんじまど)
天守の窓は連子窓(れんじまど)が基本です。
連子窓というのは菱形の格子を並べたもので、元々は神社やお寺で使われていました。
しかし神社やお寺では格子は細くほとんど隙間もなく並べていたので、光はあまり入りません。もちろん外もよく見えないと思います。
一方で天守は、内部が昼間でも薄暗くなるため窓は明かりを取るために必要でした。
さらに、敵の動きを監視する物見としてや、攻めてくる敵を迎え撃つために窓を利用していました。
そのため連子の縦格子を何倍も太くし、さらにその間隔を広げて並べました。
攻撃のために格子と格子の間を広くしたため、雨風を防ぐために戸が必要になりました。
▲ 縦連子窓(たてれんじまど)を天守内部から望む
華頭窓(かとうまど)
華頭窓(かとうまど)は神社やお寺などに使われた装飾性の高い窓です。
天守では最高級の窓として主に最上階に作られました。
それによって天守の格式が上がり、高貴な建物の象徴となりました。
華頭窓はあまり実用的ではなく、むしろその装飾のために用いられたことがほとんどです。
▲ 格式高い様式の華頭窓(かとうまど)
窓の戸
窓の戸には、木の板をそのまま使った板戸と、板の外側に漆を塗った土戸があります。
板戸
板戸は比較的薄い板でできており、戸の上部に金具を取り付けて細い木の棒で突き上げて外へ開く、突き上げ戸が一般的です。
その他に開き戸もあります。
土戸
土戸は外側が漆喰で塗り固められているため分厚くなり防御に向いていました。
敷居の上に立てて横に引く引き戸として、格子の内側に設けるのが一般的でした。
まとめ
天守の窓は、明り取りや攻撃のためのものでした。
さらに戸にも種類があることがわかりました。
また装飾のための窓もあることがわかりましたね。
ということで天守には窓がたくさんあるよというお話でした。
じゃあね🖐️
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