天守や櫓には石落としという防御設備が備えられています。
これには形から三種類に分類できます。
袴腰型、戸袋型、出窓型の三種類です。
今回はこの石落としについて一緒に見ていきましょう。
防御の役割
天守や櫓には石落としがついています。
まずはその防御施設としての機能を見てみましょう。
籠城戦に備えて
天守や櫓が籠城戦となった場合最終的な防御拠点となります。
そのため敵が攻め込んできた時の事を考えて、接近してきた敵を迎撃するために、石落としや狭間という防御設備が備えられています。
作りとしては、壁の一部を外側に張り出させ。この張り出した部分の床を開いたものです。
石は落とさない
石落としという名前ですので、この床に開いた穴から石を落として敵を攻撃すると思われていますが、実際には石は落としていないようです。
ではどのように使われるかと言うと、床に開いた隙間はだいたい20 cm ぐらいなので、鉄砲を下に向けて撃っていたと考えられます。
本来は狭間の一種で、足駄狭間(あしださま)と呼ばれていました。
江戸時代になると(戦を知らない軍学者が)、ここから石を落としたに違いない!と言い出して、「石落とし」と呼ばれるようになったそうです。
形による分類
石落しはその形状によって、戸袋型、出窓型、袴腰型の3種類に分類されます。
見ていきましょう。
戸袋型(とぶくろがた)
雨戸を納める戸袋状に突き出した形の石落とし。
丸亀城天守が現存例です。
▲ 雨戸の戸袋のような形をした石落し
出窓型(でまどがた)
出窓の床下を石落としにしたもの。
弘前城や金沢城に見られます。
▲ 金沢城の復元された石落しは出窓型
袴腰型(はかまごしがた)
外壁を斜めに作って床を張り出す形。
犬山城天守に代表される形で、松本城天守などにもついています。
もっとも多い形でもあります。
▲ 松本城天守には袴腰型の石落しがたくさん設置されている
まとめ
石落としは籠城戦となった時に接近した敵を迎撃するための防御設備の一つということがわかりましたね。
ということで、石落としは実は石は落とさないんだよというお話でした。
じゃあね🖐️
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