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【お城の基礎講座】8.天守の壁の構造

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天守は軍事拠点であり、シンボルでもあります。
また昔から火災に対しては人々は恐れを抱いていました。
そのため防火に優れた壁にしていました。
今回はその壁について見ていきましょう。

壁の構造

天守の壁は防火・防弾 

天守の壁は土壁(つちかべ)です。
土蔵などと同じ土壁ですが、土蔵よりもとても分厚く、通常は一尺(約30 cm)、厚いものは2尺(約60 cm) もありました。
関ヶ原の合戦前後になると、西洋から大砲が輸入され、急速に普及していきます。
それに伴い戦い方が変わってきました。
そこで天守も大砲などの攻撃に耐えられるように、壁はさらに強度を高めることが求められてきました。
それが太鼓壁(たいこかべ)とも呼ばれる防弾壁です。
これは、少し間をあけた2枚の薄い土壁の間に小石や瓦などを詰めて作られています。

壁の作り方

土壁は竹を縦横に組んだ小舞(こまい)というものを骨組みとしており、その上に壁土を何度も塗り重ねて作ります。
もう少し細かく見てみましょう。

骨組み

まずは壁の骨組みです。丸竹を縦横に組んで小舞を組み、藁(わら)の縄をからめます。
そこに壁土を塗っていきます。
藁の縄を巻きつけてあるため壁土が落ちにくくなります。
これが壁の土台となる荒壁(あらかべ)です。
壁土は、藁苆(わらすさ)と言う藁を短く切ったものを混ぜ合わせた粘土質の土で、強度を高めています。

壁の塗り方

壁の外側は手打ちという方法が使われます。
これは土を団子状に丸めて押し付ける方法です。
壁の内側は裏返しという方法が使われています。
これはコテ(鏝)でならすように塗られる方法です。

仕上げ

荒壁が乾いたら何度か壁を塗り、最後に仕上げをします。
仕上げは白漆喰(しろしっくい)の上塗りをします。
漆喰は石灰と麻のすさを混ぜて、海藻から作った海苔を加えたものです。
表面をなだらかにし、光沢のある仕上がりになります。
天守の壁はこのような工程を経て造られ、とても時間がかかります。
さらに様々な高度な技術を必要です。
壁の種類には、白漆喰総塗籠(しろしっくいそうぬりごめ)、下見板張り(したみいたばり)、真壁造り(しんかべづくり)などがあります。

まとめ

今回は壁の構造を見てみました。
壁を作るには柱や骨組み、壁仕上げなど様々な工程や部材が必要となることがよくわかりました。
さらに大砲に対しても強い壁である太鼓壁というものがあるのも分かりましたね。
ということで天守の壁は時間をかけて強力に作られているよというお話でした。
じゃあね🖐️

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