攻城団でも「城に歴史あり!」を連載してくださったり、トークイベント「城がたり」のゲストとして参加いただいた榎本秋先生の新刊が出たのでご紹介します!
今回もありがたいことにサイン本を3冊ご用意いただいたので、まだ買ってない方も、すでに購入された方もこの記事の内容をしっかり読んでご応募くださいね。
(サイン本プレゼントの応募フォームはページの最後にあります)
この本は2012年に出版された『戦国坊主列伝』をベースに大幅に加筆された内容で、今川義元の軍師として知られる「黒衣の宰相」太原雪斎をはじめ、武田信玄のブレーンだった快川紹喜、伊達政宗の教育係だった虎哉宗乙など、戦国武将と僧侶の関係は非常に深いものばかりです。
また今回は戦国時代の前後に活躍した僧侶も含めた一覧となっています。
目次から抜き出すとこんな僧侶たちが紹介されているのですが、天皇の地位を狙った道鏡や、源義経を守った武蔵坊弁慶など鎌倉時代以前の僧侶、南光坊天海や以心崇伝など江戸幕府のブレーンとなった僧侶たちが見事に並んでいますね。
1 古代~鎌倉2 室町~戦国
- 道鏡
- 行基
- 空海
- 蘆屋道満
- 頼豪
- 文覚
- 武蔵坊弁慶
- 常陸坊海尊
- 日蓮
3 江戸
- 文観弘真
- 兼好法師
- 一休宗純
- 雪舟等楊
- 蓮如
- 太原雪斎
- 顕如
- 安国寺恵瓊
- 果心居士
- 曲直瀬道三
- 施薬院全宗
- 胤栄と胤舜
- 本因坊算砂
- 南光坊天海
- 以心崇伝
- 林羅山
- 教如
- 沢庵宗彭
- 天秀尼
- 列堂義仙
- 売茶翁
- 隆光
- 月照忍岡
- 武田物外
ひと足先に献本いただいたので、ぼくもさっそく読んだのですが、33人のエピソードがコンパクトにまとまっているので読みやすいです。ひとり数ページなので1日ひとり読んでも1ヶ月くらいで読み終えますね。
戦国時代のお坊さんというと、織田信長の比叡山焼き討ちなどが思い浮かびますが、日本史を俯瞰してみると要所々々で重要な役割を果たしてきたのがお坊さんです。 そのきっかけを学ぶには最適な一冊だなと思うので、ぜひ多くの方に読んでもらいたいです。
最後に榎本先生からメッセージをいただいたので、ご紹介しますね。
なお、プレゼントの抽選まで待てない!」という方やサイン本は大事に取っておきたいので読む用には別途購入するという方はこちらからどうぞ。
今回は新刊『日本坊主列伝』(徳間文庫)の紹介をさせてください。
これは2012年に刊行した『戦国坊主列伝』(幻冬舎新書)を改題・加筆・再構成した本で、近世までの日本史を、個性的かつ特徴的な坊主(僧侶)たちの人物列伝という視点で紹介しようというコンセプトになります。
皆さんは坊主というとどんなイメージですか? お寺にいて、葬式がお仕事、というところでしょうか。これに加えて自身の修行、世間への布教も坊主の重要な仕事です。
しかし、歴史的に坊主が果たした役割はもっと大きく、かつ幅広いものでした。
長い間、日本において坊主は知識階級であり、また教育者だったのです。教養や芸術を突き詰めるある種の余裕があるのも貴族や彼らだけ。
それだけではありません。政治を牛耳ろうとしたものあり、軍事で活躍したものあり。外交交渉の仲介者としても坊主の存在は不可欠でした。
加えて、坊主たち自身のパーソナリティも人格者あり、奇人あり、怪人物ありと種々様様。
彼らの活躍を追いかけることで、日本史を公家や武士とは違う視点で見ることができるのでは......それが本書のコンセプトです。
『戦国坊主列伝』の時は戦国時代に限定していたものを、近世までの日本史全般に拡大し、人物の選定も再度やり直しました。再録した人物についても大幅な加筆訂正をしています。
以前の本を持っていた人にも楽しんでもらえる一冊になっているかと思います。