歴史の持つストーリー性を活かした観光支援事業を手がける「楽 la storia locale」が小松城跡の観光案内マップ「小松城浮城マップ」を作成されました。
クラウドファンディングで制作資金を募集されていたのでこのプロジェクトのことを知ったのですが、完成したマップがとてもいい出来だったのと、その土地の歴史にスポットをあてて盛り上げようとするアプローチが攻城団と近いなと感じたので、代表の安藤さんにお話を伺いました。
(今回はメールインタビューです)
その時、最近小松城を訪問する人が少しずつ増えているんだけれど、お渡しするマップに良いのがないということを聞いたんです。市にも予算がないということで、ならクラウドファンディングでいろいろな方に支援していただく形で作れないかと考えました。
またちょうどその時、私は職業訓練校「観光・地域デザイン科」の講師になりまして、現在一緒に活動しているメンバーと知り合いました。そこで気づいたのは、地域の活性化や観光に関して色々仕事はあるけれども、本当に彼らがやりたい仕事はあまりないんだなということでした。
そのような背景があり、まずはボランティアという形からですが、小松城を通じて観光に関わる仕事をやってみないかと誘ったのがきっかけです。
まず当初はもっと簡単なものを作る予定でしたが、調査をしだすと何もかもが面白いですし、デザインも凝りはじめ、他に仕事をやりながらということもあって時間もそんなにないですし、けっきょく一年半近くかかってしまいました。
また印刷代金はクラウドファンディングを活用したわけですが、お金の管理から、文章作成、支援いただいた皆様へのお礼や返礼品の配送などなど、多くの事務作業が発生したのもやっぱり大変でしたね。
ただ、それを上回る喜びが間違いなくありました。
小松城は「浮城」と呼ばれ、湖のようなお堀に12の島が浮かぶ全国でも珍しいタイプの城です。そして天守台の上には、全国随一の文化人大名前田利常の趣味が爆発した、まるで茶室のような数寄屋造の櫓が建てられていました。
残念ながらお堀は明治初期に埋め立てられてしまいましたし、天守も石垣を残すのみですが、そんな独特な形をしていた小松城の在りし日の姿がイメージできるようにしてあります。
この表紙のイラストを見ながら、現地では当時の姿を想像していただきたいですね。
城だけでなく城下町の町家の風情や町割も楽しんで欲しいですし、老舗のお店を巡ったり、おしゃれなカフェでお茶したりと小松の城下町全体を楽しんで欲しいなと思います。きっと素敵な出会いがあると思います。
また私たちのマップ以外にも、寺町や、お祭り、松尾芭蕉に関するマップなどがすでにあります。これらのマップも併せて小松の城下町をフルに堪能していただければ嬉しいです。
他にもおすすめポイントは多々ありますが、まずはぜひ小松城へお越しください! お待ちしています。
攻城団は地元の魅力発信プロジェクトを応援します!
前田利常の隠居城として知られる小松城ですが、現在は小松高校のグラウンドに天守台があるくらいで、その遺構の大半は消滅しています。
でも歴史は消えてないんですよね。「ブラタモリ」でも「土地の記憶」といった表現がされますが、城址や城下町にはさまざまな歴史の痕跡があります。外堀だった川はいまでも残っていたり、不自然なクランクを見れば「ああ城下町だな」と感じる方も多いのではないでしょうか。
ほかにも周辺の寺院にある移築門や、江戸時代からつづく和菓子屋に立ち寄るのも城下町めぐりの楽しみです。
同じような散策マップ(城たびポケット)をぼくらもつくりましたが、このマップは城下町を楽しむガイドとしてとてもよくできていると思います。
安藤さんたちのように有志が中心となって地元の歴史を丹念に調べ、それを広くシェアしようとする活動を攻城団は応援したいし、ご迷惑にならない範囲でお手伝いしたいと思っています。
今後どういうことができるかについてはお会いしてから相談させていただくつもりですが、まずはこんな素晴らしいマップをつくった方々がいるんだよってことをみなさんにお伝えしたいです。
この「小松城浮城マップ」は現在、小松市役所や小松市立博物館などで配付されています。
プレゼントのご案内
安藤さんからプレゼント用に「小松城浮城マップ」を3部ご提供いただきました!
現地で入手してもいいけれど、ぼくはこういうマップは訪問前の予習として楽しむのがいいと思っています。立ち寄りたいところの目星をつけたり、散策ルートを事前に考えておくのに便利ですからね。
「そのうち小松城に行ってみたかった」「どんなマップか手にとって見てみたい」という方はぜひ以下のリンクからプレゼントに応募してください。