北斗市郷土資料館・時田学芸員による「日本最初の星形城郭・戸切地陣屋の再評価」
この連載ではまだまだ知らない人が多い、あるいは存在こそ知っていてもその真価を理解できていないぼくのような人たちに対して、戸切地陣屋の魅力やすごさを北斗市郷土資料館の時田太一郎学芸員に解説していただきます。
連載中からたくさんの質問が届きましたので、時田学芸員に回答していただきました。ぜんぶで18000字におよぶ、読み応えたっぷりの質疑応答となっていますので、ぜひお読みください!
この連載もついに最終回です。ぼくは毎回「戸切地陣屋すごい!」「戸切地陣屋に行きたい!」と思いながら読んできましたが、みなさんはいかがだったでしょうか。 質問や感想もぜひお寄せください!
西洋の築城術を学んだ英才・藤原主馬によって築かれた〈日本初の星形城郭〉戸切地陣屋でしたが、最先端の理論を誰もが理解できるわけもなく、教本を無視した改変がおこなわれます。 急速な改革が失敗するのはよくあることですが、国家存亡の危機を前にゆっく…
戸切地陣屋はどのくらい原典であるサヴァール教本の内容を反映しているのか。時田さんの調査によれば城が築かれた「野崎の丘」の自然地形もうまく活用し、かなり忠実かつ正確に再現していると言えるそうです。
日本のお城の魅力はいわばひとつとして同じお城がないという個性にあるわけですが、西洋では体系だった理論や学問として築城術が発展しました。その結果としての稜堡式城郭であり、戸切地陣屋は日本ではじめてその理論を輸入したお城ということです。
そもそも稜堡式築城術とはどういうものなのか? 西洋といってもどこの国で生まれたのか、いつ誰が考えたのか、またその専門的な学問がどのように日本に持ち込まれたのか、考えてみると謎だらけですよね。ヴォーバンとかサヴァールとかお城の話にフランス人の…
ついに戸切地陣屋が完成します。ぼくは稜堡がひとつしかない点を見て松前藩は予算不足だったのかなと思っていたのですが、じつはひとつあれば十分防衛できる最高の立地に築いているそうです。今回は図解も多く、稜堡式城郭がどうやって守備をするのかがよく…
佐久間象山のもとで洋式軍学を習得した藤原重太(主馬)は藩主・松前崇広により西洋流砲術師範として任命されます。開明的な藩主が英才を重要ポストに抜擢する構図は明るい未来を想像させますが……。
今回はじめて知ったふたりの親子――藤原正蔵と藤原重太(主馬)の名前をぜひ覚えていってください。正蔵は間宮林蔵に同行し、重太は佐久間象山の弟子なので、有名人のすぐそばにいたふたりなのです。
まずは戸切地陣屋が築かれる前日譚として、幕末における松前藩の状況について。ぼくは松前藩が一時期、東北に移封されていたことも知らなかったのですが、これって有名?
この連載ではまだまだ知らない人が多い、あるいは存在こそ知っていてもその真価を理解できていないぼくのような人たちに対して、戸切地陣屋の魅力やすごさを北斗市郷土資料館の時田太一郎学芸員に解説していただきます。