攻城団からのお知らせ

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【寄稿】「軍師・黒田官兵衛に学ぶ」ツアー参加レポート

今回は攻城団ブログはじめての寄稿です。こうすけさんによる攻城レポートをお届けします。
姫路城や御着城など、黒田官兵衛にゆかりのある場所をツアーでめぐられたそうですよ。

2014年9月21日(日)、いつものような1人攻城ではなく、大人数でバス移動する「軍師・黒田官兵衛に学ぶ」という趣旨の日帰りツアーに参加してきました。

ツアーといっても旅行代理店が募集しているのではなく、仲間内で黒田官兵衛に興味ある人たちが集まって一緒に黒田官兵衛ゆかりの場を巡ろうという趣旨です。

朝8時に出発ということで兵庫県川西市にある阪急川西能勢口駅前に集合。
なかなかしっかりしたバスだったので(ミニマイクロを想像していた)ちょっと驚きました。

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ちなみに隣にもう1台バスが停車していました。
聞いた所竹田城巡りツアーのバスでした。

事前に観光協会の方から頂いたパンフレットや当日のために作成したしおりが配られます。

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ちなみに「手作りのしおり」は依頼されてぼくが作成したので、攻城団の城メモからの情報と写真盛りだくさんでした。

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本日の旅程は、三木城跡→兵庫県立歴史博物館→講演→大河ドラマ館→姫路城周囲散策・好古園→御着城跡、といったコース。
コースが決まってから知ったのですが、ご縁を通じて姫路市市役所観光課の方に、ツアー趣旨をご説明し、旅程作成についてのご協力を頂いたそうです。

まずは中国自動車道を快調に走り、最初の目的地の三木城跡へ到着しました。
個人的にとても行きたかった場所なのですが、いままで機会がなくて行けなかった城跡。

商店街の入り口にバスが停車します。
「あぁ、市街地に城跡が残っているパターンだったのか」という言葉が脳裏をかすめます。

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窓越しに何か看板が見えます。
バスを降りて、左手に目を向けました。

・・まさかこういう看板になっているとは。

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攻城団でも知らなかった情報。
歴女ブーム等のおかげなのでしょうか。
看板をみた周囲の人もちょっとザワザワしていました。

商店街入り口にある階段を登って三木城跡に向かいます。
階段は2人が並んで通れるくらいの幅で、勾配が結構厳し目になっています。

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階段の数をカウントしてみたところ110段ありました。
登り切ると三木城跡公園です。

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入ってすぐ右手にかんかん井戸がありました。

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ちょっと草だらけでよくわからないのですが、深さ25メートルというのことなので、草だらけの方が色々想像ができてかえってよいのかもしれません。

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公園からは向かい側の山々がハッキリ見えます。

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案内板や辞世の句が刻まれた石碑以外に往時をしのばせるものは何もありませんが、川と山に囲まれた地形からも確かにここは要所だったんだろうなあということは想像がつきます。

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記念撮影ののち、20分ほどの滞在を終えて再びバス移動。

本当はここで竹中半兵衛のお墓にも立ち寄る計画があったのですが、「時間の都合」と「道中の道が細くて難しいんじゃないか」という指摘があったとのことで断念することに。

続いて兵庫県立歴史博物館へと向かいます。
道すがら吉川英治著の「宮本武蔵」にでてくる、お通さんの銅像を見かけました。

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帰宅後、調べたところ姫路市花田町小川という地点のようです。
吉川英治原作の「宮本武蔵」花田橋の章では、武蔵とお通の別れの場面が登場します。
お通が武蔵と再会を約束していた場所が花田橋でしたが、お通が旅支度をする隙に武蔵はお通を置き去りにして立ち去ってしまいました。
市川に架かる新小川橋東詰に、武蔵を追いかけようとするお通の像がそっと佇んでいます。 姫路観光情報|お通像【ひめのみち】

車窓から姫路城が見え始めてきました。

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いままでは姫路駅からの眺めしか知らなかったのですが、車窓から見える姫路城が徐々に近づいてくるというのも心が盛り上がってきていいものですね。

姫路県立歴史博物館に到着です。

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ロビーにある姫路城の模型。

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攻城団の城メモで見て以来、行きたかった(見たかった)場所です。
ひとり感無量でした。(こういう模型を自宅におけるようになりたい!)

歴史博物館ではボランティアの方がずっと付き添っていただき説明をしてくれました。
姫路城の天守構造や石落とし、狭間などが精巧に復元されているといったお話や鯱についてのご説明。

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姫路城は外観は五重(層)のだけど内部は六階の構造になっていて、石垣部分の天守台の中にも一階の構造がある、といった話をお伺いします。
みんな聞き入っていました。
本を読みながら想像するのと、実際に現地で展示品を見ながらお話を聞き、往時を想像するのはとても印象が違いますね。

「昭和の大修理」の際に東大柱を切断したそうで、その根元が展示されています。

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気持ちはとっても分かるのですが止めておきましょう。

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2階に上がると現存天守の比較模型があります。

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写真の奥に見えるのが姫路城です。こうして並べられると姫路城がいかに大きな天守を持っているのかがよく判ります。
その他にもいろんなジオラマがあってみているだけで楽しくなります。

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江戸城天守模型もありました。

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姫路城の縄張りと、現在の地図を重ね合わせた展示品で説明を受けます。

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姫路城の縄張りがいかに大きく、現在の姫路駅付近まで城内だったことが判りますね。
お堀も外堀、中堀、内堀とあったというお話や、世界遺産登録されているのは、姫路城の本丸付近や天守だけではない、という世界遺産指定区域の話などを伺いました。

その後、播磨のお祭りに関する展示物を鑑賞。

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これからちょうどお祭りシーズンだそうです。

1階に戻るとガラス加工の「姫路城」がありました。

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これまた城メモで見て、とても見たかったので感無量でした。

さて、続いては講演会を聴講するために日本城郭研究センターへ移動します。

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講演は「播磨の黒田武士顕彰会」理事の今藤久夫さんによる「黒田官兵衛に見る社長の補佐と指導者の姿」というテーマ。

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今回の企画自体が「温故知新」を軸として、歴史的事実から現在のぼくたちに置き換えてみると何を学べるのか、というものでした。そうした意図をお伝えした所、こうした講演テーマをご用意いただけたそうです。

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60分にわたるなかなか本格的な講演。
最近は大河ドラマのおかげで講演依頼が結構あるそうです。
その中でも今回のぼくたちのように「歴史から仕事上の学びを得てみたい」というテーマ依頼はちょっと珍しかったそうです(そういうテーマのお話も今後はやってきたいとか)。

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こういう講演の時に、和装で行って頂けるのはとっても素敵だなぁと。
また会場には今回の旅程手配でご協力をいただけた姫路市役所の方もお越しになっていただきました。

講演を終えて姫路城周辺へ移動開始。

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ここで楽しみにしていたもう一つのスポットが。

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建物の窓ガラスに反射する姫路城。
これもぜひ訪問したかった場所なのでとても満足です。

再び堀沿いを歩きます。

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姫路城が見え始めてきました。

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こんな看板もあります。思わず「羽柴時代の石垣」に反応しました。

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ここ......なのでしょうか。

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もう少しで工事が終わりますね。 

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大天守を見ていると、幸運にも工事現場見学に訪れることができたことを思い出します。

姫路城と世界遺産の碑を背景に記念撮影。

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現在の姫路城は黒田官兵衛が築城したのではなく、また居城でもなかったため、正確にいうと"今回の「軍師・黒田官兵衛に学ぶ」という趣旨から外れてしまう"というご配慮と、姫路城を巡ると現実的に時間配分が難しくなる......という理由で姫路城内の見学はツアー行程から外してありました。

うーん、残念ですが、これを機に再び姫路城訪問を期することにします。

ということで、大手門を通って大河ドラマ館へ移動します
この時点でじつは結構時間を押していて、みんなお腹ペコペコ。

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大河ドラマ館横の芝生にかんべえくんがいました!
たくさんの人に囲まれていましたが、隙をみてカメラを向けるとポーズをとってくれました。

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ドラマ館内はあっさりと見ることができます。
ちなみに内部はほぼ撮影禁止です(2箇所だけOK)。

さて、ドラマ館を後にして、昼食を取るために好古園へ移動します。

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好古園は姫路市市制百周年を記念して建造された日本庭園(平成4年4月開園)。
往時はここに西尾屋敷や武家屋敷が立ち並んでいた場所だそうです。
回遊式庭園が見どころで、姫路城を借景とした景色が有名です。

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木が茂っていて姫路城がほんのちょっぴりしか見えませんでした。

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ドラマや映画のロケでもよく利用されているそうです。

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好古園内のレストランで昼食です。
この時点で13時半。かなりお腹が空いてきています。

先ほど講演を行っていただきました今藤理事も合流。

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昼食と同時に、播磨のお酒が4種用意され、飲み比べができるようになっていました。
用意されたお酒は以下の4種。

播州の山田錦はとても品質がよいらしく、その中でも特に品質のいい山田錦をつかって酒造りが行われているそうです。日本酒の起源を辿ると諸説あるのですが、ひとつの説として播磨地域が起源(播磨風土記)ではないか、という話もあるそうです。
いずれにせよ戦国期や安土桃山時代には、摂津、伊丹と並んで播磨も酒どころだったとか。

日本酒なのでどうなのかなぁと思っていましたら案外みなさん積極的に。

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ぼくも頂きました。
4種類並べてみました(飲んでみました)

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昼食の際には、ご好意で盃を頂戴致しました。
「限定」と書いてありましたので、帰宅後「なんだろう」と調べてみると......。

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頂戴した盃は9月8日に姫路城観月会・好古園観月会が開催された際に限定で制作された「乾杯官兵衛盃(白檀型・びゃくだんがた)」でした。

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さて好古園散策を少し行った後は、黒田家が家老を務めていた御着城跡へ向かいます。
現在は姫路市役所出張所となっている小寺氏の居城だった御着城。

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到着後、地域の方々による御着城跡について、小寺氏の成り立ちや御着城跡が現在どのように利用されているかといった事柄についての説明を20分程伺いました。

ちなみにぼくたちの後に大型バスが1台到着し、やはり地域の方々が説明をされていました。
大河ドラマの影響で、御着城跡がツアーに組み込まれていることがあり、週末は頻繁に訪問者がいらっしゃるとのことでした。

全体の位置関係は下記の案内図が解りやすいです。

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伝本丸には黒田官兵衛顕彰碑が建立されています。
黒田廟には官兵衛の祖父と生母が祀られています。

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こちらのグラウンドは伝二ノ丸。

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じつは御着城跡は2回目の訪問。
初めて訪問した際には、まさか2回目の訪問があるとは想像しませんでした。
攻城記録で調べてみると前回訪問が2014年3月21日。今回訪問が9月21日とちょうど半年後に再訪問していました。

3月に訪問した際には、ボランティアの方による説明場所(テント)など設置されていなかったので、大河ドラマの影響による訪問は、4月以降に始まったのでしょうね。

午後15:30過ぎに御着城跡を後に一路帰路へ。
帰りのバスの中ではオークションが開催されるなど、もうひと盛り上がりしつつ、利き酒の影響もあってか、みなさん静かにお休みになられていました。

予定時刻を15分程過ぎた18:15に川西能勢口駅前に到着。解散となりました。

今回はじめてバスで団体で移動して攻城巡りをするといった体験をしましたが、結果的には当初の不安感よりも、参加してよかったという終了後の充足感の方が高かったです。

1人で攻城するのと違って、観たいポイントや撮影したいポイントを必ずしも訪問できるとは限りません。
また時間も決められていますので、自由に散策することもできません。
その代りに団体行動で旅程を組むと、観光協会の方やボランティアの方に説明をお願いすることができたり、今回のように講演を依頼することができたりします。

その結果として、1人ではなかなか知ることができない地元話を伺うことができるというバス旅行ならではの体験をすることができました。

こうしたバスを利用した団体移動ツアーは各地でも行われているようなので、情報を見つけて(これが大変そうですが)、日程が合うようなら参加してみてもいいなぁと思います。
(といってまったく1人で参加するほどの勇気はないのですが)

たくさんの写真を撮っていただきありがとうございました。
かなり盛りだくさんの旅程でしたが、とても楽しそうですね。途中の講演もちょっとうらやましく思いました。
こうすけさんが書かれているように、たしかにツアーのような団体での攻城となると不便なことも多い反面、ツアーならではのイベントも組めるのはいいことですね。
いつか攻城団でもツアーを企画実施してみたいものです。

こうした寄稿はいつでもお待ちしています。ツアー参加後のレポートだけじゃなく、参加者を募集するための告知にもぜひ使っていただければと思っています。詳しくは寄稿についてのページをご覧ください。

   
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